📋 やさしい要約
2026年3月12日の大分市議会本会議では、会派を代表して市の方針をただす代表質問が行われました。自由民主党の進義和議員とネットワークみらいのうつのみや陽子議員が、佐賀関大規模火災からの復興、厳しい財政運営、人口減少対策、子育て支援などについて質問し、足立信也市長と粟井明彦教育長が答えました。
✅ 決定事項
👥 出席議員
📝 詳細議事録
第1回大分市議会定例会会議録 (第2号)
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令和8年3月12日
午前10時0分開議
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出席議員
1番 大 津 將 嘉
2番 平 本 泉
4番 牧 貴 宏
5番 進 義 和
6番 長 野 辰 生
7番 倉 掛 賢 裕
8番 田 島 寛 信
9番 二 宮 博
10番 藤 田 敬 治
11番 永 松 弘 基
12番 板 倉 永 紀
13番 仲 道 俊 寿
14番 秦 野 恭 義
15番 直 野 里 子
16番 衛 藤 延 洋
17番 斉 藤 由美子
18番 岩 崎 貴 博
19番 高 松 大 樹
20番 成 迫 研 太
21番 野 上 恵 子
22番 うつのみや 陽子
23番 馬見塚 剛
24番 甲 斐 高 之
25番 スカルリーパー・エイジ
26番 帆 秋 誠 悟
27番 宮 邉 和 弘
28番 髙 野 博 幸
29番 日小田 良 二
30番 岩 川 義 枝
31番 野 尻 哲 雄
32番 吉 川 直 樹
33番 阿 部 邦 彦
34番 堤 英 貴
35番 堀 嘉 徳
36番 大 石 祥 一
37番 仲 家 孝 治
38番 高 橋 弘 巳
39番 安 東 美奈子
40番 平 田 友 章
41番 橋 本 敬 広
42番 川 邉 浩 子
43番 国 宗 浩
44番 今 山 裕 之
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欠席議員
な し
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出席した事務局職員
局 長 井 原 正 文
総務課長 安 東 洋 子
議事課長 波多野 祐 二
議事課参事 後 藤 和 正
議事課政策調査室長 松 田 慎 司
議事課参事補 澤 野 充 幸
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説明のため出席した者の職氏名
市長 足 立 信 也
副市長 佐 藤 耕 三
副市長 清 水 久 子
教育長 粟 井 明 彦
上下水道事業管理者 西 田 充 男
消防局長 原 田 浩 司
総務部長 平 松 禎 行
企画部長 永 田 佳 也
財務部長 吉 良 昌 昭
市民部長 足 立 美乃里
福祉保健部長 田 崎 敢
子どもすこやか部長 高 橋 史 晃
環境部長 山 口 大 輔
商工労働観光部長 正 池 功
農林水産部長 温 水 一 徳
土木建築部長 小 野 晃 正
都市計画部長 後 藤 哲 秀
監査事務局長 横 川 幸 一
教育部長 永 野 謙 吾
教育部教育監 野 田 秀 一
上下水道部長 衛 藤 興 憲
企画部次長兼市長室長 大 橋 雄一郎
財政課長 幸 紀 宏
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議 事 日 程 第2号
令和8年3月12日午前10時開議
第1 代表質問
自由民主党
ネットワークみらい
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本日の会議に付した事件
日程第1 代表質問
自由民主党
ネットワークみらい
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○議長(田島寛信) これより会議を開きます。
午前10時0分開議
○議長(田島寛信) 本日の議事は、議事日程第2号により行います。
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◎日程第1 代表質問
自由民主党
ネットワークみらい
○議長(田島寛信) 日程第1、これより代表質問に入ります。
代表質問、総括質問は、代表・総括質問発言順位表により行います。
最初に、自由民主党代表、5番、進議員。
○5番(自由民主党 進義和)(登壇)(拍手) 皆さま、おはようございます。5番、自由民主党、進義和でございます。
本日は、多くの市民の皆様、この議場へ傍聴いただきまして、本当にお忙しい中、足を運んでいただきましたことに心より感謝申し上げます。
本日は、市長から市民の皆さんのことを思い、揺るぎない言葉をお聞かせいただけるものと期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭に、昨年11月、佐賀関地域で発生した大規模火災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。突然、日常を奪われた現実、住み慣れた家を失う痛み、その苦しみは計り知れないものであります。
私たち自由民主党は、地域とともに歩む政党として、被災された皆様に寄り添い、生活再建と地域の再生に責任を持って取り組んでまいります。一日も早い復興を心から願い、私たちも責任ある支援に全力で取り組みます。
それでは、質問通告により、自由民主党を代表し、質問を行います。
今、本市は大きな分岐点に立っています。人口減少、物価高、担い手不足、災害への不安、子育ての孤立、地域経済の先行き、市民の暮らしは決して平たんではありません。一方で、中心市街地や広域交通など、本市の将来像を左右する重要な局面を迎えています。
今問われているのは、優先順位であります。市長の一つ一つの決断は、今を生きる市民の安心を守ると同時に、このまちの将来の姿を形づくっていきます。
本日は、足立市長がこの大分市の進路をどう描き、どのような志で市政運営に挑むのか。そして、市民が安心して未来を託せるのか。その根幹を真正面からお尋ねしてまいります。
まず、市長の使命と市政の羅針盤について伺います。
市政運営とは、単に予算を執行することではありません。このまちに暮らす一人一人の人生を守り、支え、そして未来へつないでいく責任を引き受けることであります。
足立市長は、令和5年に市長に就任されました。就任から間もなく3年となり、任期満了まで残り1年余りとなりました。この3年間、市長は様々な課題に向き合い、市政を前に進めてこられました。その御努力に敬意を表します。
しかし一方で、市民は、このまちはどこへ向かうのか、何を守り、何を未来へ残すのかという市政の方向性を強く求めています。市民が求めているのは、このまちをどこへ導こうとしているのかという市長の明確な意思であります。その意思が明確であるとき、市民は安心してこのまちの未来を託すことができます。
しかし、それが見えなければ市民の不安は消えません。だからこそ、今必要なのは市政の羅針盤を市民に明確に示すことであります。何を守るのか、何を伸ばすのか、そしてこのまちをどこへ導くのか。その判断の積み重ねこそが本市の未来を形づくります。
そこで、伺います。
任期満了まで残り1年余りとなる中で、市長として何を最も重要な使命と位置づけ、その実現にどのような覚悟を持って取り組んでいくのか。また、本市をどのような都市として次の世代へ引き継いでいこうとしているのか。この市政の羅針盤を含め、市長御自身の言葉で明確にお示しください。
次に、総合計画の成果と説明責任について伺います。
総合計画は市政の設計図であります。しかし、市民にとって本当に重要なのは、計画そのものではありません。その計画によって、自分の暮らしが守られていると実感できるかどうかであります。市民が暮らしの変化として、安心を実感できるかどうか。そこに計画の成果が問われています。
本市の総合計画は、将来像を掲げ、基本計画、実施計画へと体系化され、本定例会に上程されている3,800億円を超える令和8年度当初予算編成の根拠となる市政運営の根幹をなすものであります。
しかし、市民からはこうした声も聞かれます。計画はあるが、暮らしがどう変わったのか分かりにくい、成果が見えない。暮らしがどう変わったのか、数字と実感で示してこそ、市政の設計図は生きていきます。目標に対して、どこまで進んだのか、達成できたのか、達成できなかったのか、なぜなのか、そしてどう改善するのか。この一連の検証と説明こそが市民との信頼の基盤であります。成果指標に基づき進捗を検証し、改善につなげるEBPMを徹底すべきであります。根拠に基づく政策運営を徹底し、責任説明を果たすことが不可欠であります。
私は、総合計画は市民との信頼の契約だと位置づけています。目標に対し、進捗と成果、課題、改善を市民に分かる形で示し、実行してこそ意味があります。
そこで、伺います。
市民との信頼の契約である総合計画の実現について、事業選択や予算編成などの行政運営にどう反映し、市民を導いていくのか。市長の責任ある答弁を求めます。
次に、持続可能な財政運営について伺います。
市政において、財政とは単なる数字ではありません。それは市長が何を優先し何を守り、何を見直すのかを示す統治の意思そのものであります。
本市の令和8年度当初予算編成は3,800億円を超える規模となっています。一方で、扶助費の増加、公共施設の老朽化、社会保障関係経費の増大により、財政の硬直化は確実に進んでいます。人口減少が進む中で、税収の大幅な増加を見込むことも容易ではありません。国と違い、地方財政は借入に厳格な制約があります。だからこそ、今の判断が将来世代の負担に直結します。
ここで問われるのは、頑張りますという姿勢ではありません。財政規律をどのルールで担保するのか、何に投資し、何を見直し、どこから手をつけるのか。その優先順位を市民と将来世代に対して、説明できる形で示す責任は市長にあります。
そこで、伺います。
今後の財政運営において、将来世代への責任を踏まえた持続可能な財政構造をどのように確立し、公共施設更新や都市基盤整備を含む、中長期の見通しをいかなる指標で管理しつつ、将来への過度な負担を防いでいくのか。市長の言葉でお示しください。
次に、人口減少時代の重点戦略について伺います。
人口減少は既に現実となっています。そしてこれは一時的な現象ではなく、これからの都市運営の前提となる構造的な変化であります。
これは、地域経済、税収、社会保障、そして地域コミュニティーの維持など、市政のあらゆる基盤に影響を及ぼします。もはや、人口が増えることを前提とした市政運営では、持続可能な都市を維持することはできません。だからこそ、今必要なのは、人口減少という現実を直視した上で、何を守り、何を伸ばすのかを明確にすることであります。
全てを守ることはできません。守るべきものを見極める責任があります。また、全てに投資することはできません。だからこそ、未来につながる分野へ集中する判断は必要不可欠であります。これは単なる行政判断ではありません。このまちの進路を決める都市としての意思であります。
特に重要なのは、若者と子育て世代の定着であります。若い世代が、このまちで働き、暮らし、家庭を築きたいと思えるかどうか。それがこのまちの持続可能性を左右しています。
仕事があるか、安心して子供を育てられるか、このまちに将来を託せると感じられるか、その積み重ねが都市の未来を決めていきます。だからこそ、市長が何を守り、何を伸ばし、そして何を見直すのか。その優先順位を市民に明確に示す責任があります。
そこで、伺います。
人口減少という現実を前提に、本市として守るべきものと、伸ばすべき分野をどのように定め、若者や子育て世代に選ばれ続けるまちを実現するための重点戦略をどのように進めていくのか。市長の決意をお聞かせください。
次に、道路、橋梁、上下水道等のインフラの老朽化対策について伺います。
これらは、市民の命と暮らしを支える土台であります。市民は毎日何気なく道路を歩き、水を使い、施設を利用しています。それは安全であるという前提が守られているからであります。
しかし、インフラだけではなく、公共建築物も含めて、その多くは高度経済成長期以降に整備されたものであり、今、一斉に更新期を迎えています。老朽化は静かに確実に進みます。そしてその危険は、ある日突然事故として現れます。
先般、埼玉県八潮市では、下水道管の破損に起因すると見られる道路陥没が発生し、走行中のトラックが転落する重大事故が起きました。
老朽化は目に見えません。しかし、ひとたび顕在化すれば市民の命を直撃します。だからこそ、本市は壊れてから直すのではなく、壊れる前に備える予防保全へと明確にかじを切らなければなりません。
市民の安全は偶然ではありません。不断の備えで守るべきものです。限られた財源の中で、何を優先し、どう判断するのか。その決断こそが市政の責任であります。
そこで、伺います。
本市における道路や橋梁をはじめ、地下に埋設された上下水道路などのインフラや、市民が利用する公共建築物について、維持管理の現状と今後の更新に関する明確な方針について、市長のお考えをお聞かせください。
次に、行政DXの推進について伺います。
市民にとって行政とは、最も身近な公共サービスであります。子育て、福祉、医療、税、各種手続など、人生の様々な場面で関わる存在であります。だからこそ、その行政が市民にとって利用しやすいものであるかどうかは、暮らしの安心に直結します。
しかし、現実には手続が複雑で分かりにくい、何度も窓口に足を運ばなければならない、そのような声も少なくありません。
市民にとっての不便は行政にとっての課題であります。オンラインで手続が完結し、市民が楽になったと実感できる変化が必要であります。それは、市民の時間を守ることにつながります。
一方で、デジタル化は手段であり、目的ではありません。重要なのは、行政が市民の立場に立ち、より利用しやすい仕組みへと進化していくことであります。そしてそれは市民の利便性の向上だけではなく、行政運営の効率化にもつながり、限られた人材の中でより質の高いサービスを提供する基盤となります。
そこで、伺います。
市民サービスを向上させ、市民に寄り添う行政を実現するための本市のDXの推進について、市長の明確な方針をお示しください。
次に、環境及び脱炭素政策について伺います。
環境問題は、もはや遠い未来の話ではありません。既に私たちの暮らしに影響を及ぼす現実の課題であります。気候変動による自然災害の激甚化、異常気象の頻発、それらは市民の安全と暮らしに直結する問題であります。
脱炭素社会の実現は、世界全体の目標であると同時に、地域においても具体的な行動が求められています。本市においても、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの推進など、様々な取組が進められてきました。
そして、本年2月13日、本市の提案が環境省の脱炭素先行地域に選定されました。これは本市の取組が国から高く評価された証であり、同時に結果を求められる新たな責任の始まりでもあります。
しかし、環境政策は理念だけでは進みません。市民の暮らし、地域経済、それらと両立しながら、現実的に進めていくことが重要であります。無理のない形で着実に進めること。そして、その方向性を市民と共有すること。それが持続可能な社会の実現につながります。
環境を守るということは、このまちの暮らしを守り続けるということであります。それは今を生きる私たちの責任であります。
そこで、伺います。
本市として脱炭素社会の実現に向けて、重点的に推進する分野をどのように位置づけ、市民生活や地域経済と両立しながら、持続可能な環境政策をどのように推進していくのか。市長の明確な方針をお聞かせください。
次に、中小企業支援と契約制度について伺います。
市民の暮らしの安心は、経済の安定なくして成り立ちません。働く場があり、収入があり、将来に希望を持てること、それがこのまちで暮らし続けられるかどうかの基盤であります。
近年、多くの市民が物価上昇の影響を日々の生活の中で実感しています。食料品、光熱費、あらゆるものの価格が上昇し、家計の負担は確実に増しています。その一方で、地域の中小企業は人手不足と原材料価格の高騰という二重の困難に直面しています。賃上げの必要性は理解しながらも、その原資の確保に苦慮している現場の声も多く聞かれます。
地域の中小企業があり、そこで働く人がいるからこそ、まちは支えられています。だからこそ、重要なのは、地域の中で経済が循環し、企業が持続的に成長し、その成果が働く人の賃金として、暮らしへと還元されていくことであります。そのために、市の役割は極めて重要であります。
こうした中、本市におきましては、中小企業の設備投資、DX化や人材育成への支援など、様々な施策に取り組まれていることは承知しておりますが、中小企業の限られた経営資源の中で、経営基盤の強化や事業承継など、地域経済が持続的に成長できる環境を整えるための中小企業支援をさらに充実させることが重要だと考えております。
また、市が発注する工事や業務委託などの契約は、地域経済に直接影響を与える重要な政策手段であります。地域経済が持続的に成長できる環境を整えること。このまちで働き、このまちで暮らしていける、そう思える経済の基盤を守ることは、市政の重要な使命です。
市の契約は、地域経済を守る政策です。価格だけを追えば、企業は疲れ、雇用と技術が失われます。適正な積算と適正価格で、地域の稼ぐ力を守ること。ここに市の責任があります。
そこで、伺います。
本市として、地域経済の持続的成長を実現するために、中小企業の生産性向上、人材確保、事業承継等の課題にどのように取り組んでいくのか。
また、本市の契約制度が、地域企業の持続可能性と両立する仕組みをどのように評価しているのか。今後どのように改善していくのか。市長のお考えをお聞かせください。
次に、持続可能な観光について伺います。
観光とは、都市の価値そのものを問われる政策であります。このまちの価値が外からどう評価されているかを示す指標であります。
人が訪れ、時間を過ごし、また来たいと思う。その積み重ねが地域経済を支え、まちの誇りを育てていきます。
本市には、海と山に囲まれた豊かな自然があります。歴史と文化に育まれてきたこのまちの個性があります。そして何より、このまちで暮らす人の温かさがあります。
しかし、これらの価値を十分に生かし切れているかどうか、そこが問われています。
これからの観光において重要なのは、何人来たかだけではありません。どれだけ滞在したか、どれだけ地域で時間を過ごしたのか、そして、このまちにまた来たいと思っていただけるのか。この滞在と体験の質を高めることが、持続可能な観光につながります。
そのためには、単独の施設やイベントではなく、まち全体としての魅力を高めていく視点が不可欠であります。中心市街地、港、交通結節点、文化資源、それぞれをつなぎ、人の流れを生み出すことが重要であります。
例えば、駅周辺・中心市街地・西大分・田ノ浦を回遊するルートでつなぎ、食や文化体験を組み合わせて、滞在を生み出すことが鍵であります。
観光は単なる経済政策ではありません。このまちの価値を高める都市政策そのものであります。
そこで、伺います。
持続可能な観光に向けてどのように進めていくのか。市長のお考えをお聞かせください。
次に、農林水産業と地域産業の振興について伺います。
農林水産業は、単なる生産活動ではありません。このまちの暮らしを支え、地域の風景を守り、長い年月をかけて築かれてきた営みそのものであります。
しかし、今その基盤が大きな転換点を迎えています。担い手の高齢化、後継者不足、資材価格の高騰、現場では、続けたいが続けられない、次の世代に引き継ぐことが難しい、そうした切実な声が聞かれています。
担い手が途切れれば、産業は失われます。そして、一度失われた基盤は簡単には取り戻すことができません。それは単に産業の問題ではありません。地域そのものの持続可能性に関わる問題でもあります。
農林水産業は、このまちで生きていくことができるという選択肢を支える存在であります。その選択肢を次の世代へつないでいくことは、市政の重要な責任であります。
若い世代が、このまちで働き、暮らし、ここに未来を見いだせる環境を整えることが不可欠であります。
そこで、伺います。
本市の農林水産業を次の世代へ確実に引き継いでいくために、担い手の確保や育成、経営の安定化などが必要と考えますが、どのような支援策を講じていくのか。市長の明確な方針をお聞かせください。
次に、若者が活躍できるまちづくりについて伺います。
このまちの未来を担うのは若い世代であります。これから働き、家庭を築き、地域を支えていく存在であります。しかし、その若い世代の声が市政に十分に反映されていると実感できているのか、そこが問われています。
若者は関心がないのではありません。関わる機会が見えにくいだけであります。一方で、若い世代の感性や発想は、これからのまちづくりに不可欠な力であります。
行政が気づかない課題や新しい視点を政策に生かしていくことが、このまちの可能性を広げていきます。重要なのは、形式的な参加ではありません。若者自身が関わり、その声が反映されていると実感できる仕組みであります。
本市議会においても、若者の参画を後押しするため、大分市若者応援条例が制定されました。私自身も、その発議者として、若者の声を市政に反映していく仕組みの重要性を訴え、取り組んでいるところであります。
若者の声を政策に反映することは、任意の取組ではありません。このまちの未来を担う世代に対する市政の責務であります。
そこで、伺います。
本市として、若者の声を政策形成にどのように反映し、若者自身が市政に関われていると実感できる仕組みをいかに構築するか。その成果をどのような指標で検証し、実効性を高めながら、若い世代とともにこのまちの未来を築いていくのか。市長の方針をお聞かせください。
次に、子育て支援について伺います。
子供を育てるということは、大きな喜びであると同時に大きな責任を伴います。日々の生活の中で、不安や負担を感じながらも懸命に子育てに向き合っている保護者がいます。安心して子供を育てることができる環境を整えることは、このまちの未来を支える基盤です。
本市においても、これまで様々な子育て支援策が講じられてきました。保育環境の整備、相談体制の充実、経済的支援など、着実に取組が進められています。しかし、保護者の声に耳を傾けると、制度があっても十分に届いていないと感じる場面があることも事実であります。
支援は制度として存在するだけでは意味がありません。必要とする人に届き、安心につながってこそ意味を持ちます。子育てに不安を感じたとき、相談できる場所があるか、支援が確実に届いていると感じられるか。その実感がこのまちで子育てを続けていく安心につながります。
子育て支援は将来への投資であります。そして、それは同時に今子育てをしている世代への責任でもあります。
そこで、伺います。
本市として、子育て支援策が、実際に子育て世代への安心につながっているかをどのように検証し、支援が必要な世代に確実に届くよう改善、充実を図りながら、子育て世代が安心して暮らせるまちを実現していくのか。市長の具体的な方針をお聞かせください。
次に、ひとり親家庭の支援について伺います。
ひとり親家庭を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあります。就労と子育てを1人で担う現実は、想像以上に重く、日々の生活の中で静かな緊張と不安を抱え続けるものであります。
仕事をしながら、子供を育てる。体調が悪くても、休むことができない。将来への不安を抱えながらも、子供の前では笑顔でいなければならない。誰にも頼れず、誰にも弱音を吐けず、全てを1人で背負っている方が本市にも確かにおられます。
厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査によれば、貧困率は約44.5%とされ、2世帯に1世帯が厳しい生活状況に置かれています。しかし、この問題の本質は所得だけではありません。
孤独であります。相談できないこと、頼れないこと、そして助けを求めてよいのか分からない。孤立は静かに進行します。そして、その影響は子供の学び、心、そして未来にまで及びます。
子供には責任がありません。しかし、環境によって可能性が制限されてしまう現実があります。だからこそ支援は制度として存在するだけでは足りません。
必要なのは伴走する支援であります。困ったときに相談できること、必要な支援につながれること。そして、1人ではないと感じられること。それが安心につながり、子供の未来を守ることにつながります。
国においても、こども大綱の下、困難を抱える家庭への伴走型支援の強化が進められています。また、重層的支援体制整備事業により、支援を必要とする人に、確実に支援を届ける仕組みづくりが進められています。
本市においても、制度の整備にとどまらず、確実に支援が届く体制を構築することが求められています。
そこで、伺います。
ひとり親家庭への支援について、実効性ある伴走型支援として、相談、就労、生活支援を連携するとともに、支援を必要とする家庭を的確に把握し、確実に支援につなげることが重要であると考えております。
子供の成長と将来の可能性を守るために、今後どのように支援体制の充実を図っていくのか。市長のお考えをお聞かせください。
次に、高齢者の見守り体制について伺います。
住み慣れた地域で安心して暮らし続けたい、これは多くの市民の願いであります。しかし、本市においても高齢化は進み、独居高齢者や高齢者のみの世帯は年々増加しています。
その中で、もしものとき、誰が気づいてくれるのかという不安の声が広がっています。
私は消防士として現場に立っていた頃、異変に気づかれず、発見が遅れてしまった現実を幾度となく目の当たりにしてきました。ほんの少し早く気づいていれば、そう思わずにはいられない現場が確かにありました。
だからこそ、見守りは善意や偶然に委ねるのではありません。行政の責任として、仕組みで支えるべきです。
現在、本市でも民生委員や自治会、地域包括支援センターなどの尽力により見守り活動が行われています。しかし、見守る側の高齢化や、負担の増加など、従来の仕組みだけでは支え切れない現実も生じています。
見守りとは単なる支援ではありません。それは、このまちで安心して暮らしてよいという市民への約束であります。
そこで、伺います。
誰1人孤立させないまちを実現するため、地域の負担を軽減しながら、独居高齢者や高齢者のみの世帯状況を、本市としてどのように把握し、持続可能な見守り体制をどのように強化していくのか。市長の明確な方針をお聞かせください。
次に、学校の安全対策について伺います。
学校は学びの場であると同時に、児童生徒の命と安全が守られている場所でなければなりません。保護者が学校に託しているのは、教育だけではなく、児童生徒の命そのものであります。
先般、学校内で発生した事案が動画として拡散され、市民に大きな衝撃と不安を与えました。守られるべき学校で起きた出来事は、本当に子供は守られているのかという保護者の切実な問いとなっています。
だからこそ今、個別の対応にとどまらず、児童生徒を守る仕組みが制度として確実に機能しているのかが問われています。
さらにその背景には、過大規模校の問題があります。国においても、31学級以上を過大規模校としており、学校規模が適正規模を上回ることで、学校運営に様々な影響が生じます。
学校規模が過大となれば、教職員の目が児童生徒一人一人に届きにくくなるという構造的な課題が生じます。それは安全確保のみならず、いじめや不登校の早期発見にも影響を及ぼしかねません。
児童生徒は自ら教育環境を選ぶことができません。だからこそ、その環境を整え、守る責任は行政にあります。
学校の安全は、努力目標ではありません。制度として確実に保障されなければならないものであります。
そこで、伺います。
学校の安全は教育行政の根幹であります。重大事案発生時における責任体制の確立と組織全体で児童生徒を守り抜く仕組みの構築、さらに過大規模校の解消を含め、児童生徒一人一人に目が届く教育環境を確保するための学校規模適正化に向けた具体的方針と取組について、本市としての強い確固たる意思を明確にお示しください。
次に、地域医療と救急体制について伺います。
市民にとっての安心とは何か。それは病気やけがをしたとき、確実に医療につながれるという確信であります。
夜間や休日の急な体調変化、突然の事故や病気、そのとき受け止めてもらえるという安心があるかどうかが、このまちで暮らし続けられるかどうかの分かれ目になります。
私は、消防士として救急の現場に立ってきました。一刻を争う中で、医療へつなぐ責任の重さと、その先に受皿があることの大きな支えを身をもって経験してまいりました。
足立市長は、医師として長年医療の現場に立ち、多くの命と向き合ってこられました。命を守る現場の重みを誰よりも理解されているお一人であります。
現在、救急搬送件数は増加を続け、高齢化の進行により医療需要はさらに高まります。一方で、医療従事者の確保や体制維持は容易ではありません。医療体制は弱まってからでは立て直せません。だからこそ今、持続可能な体制を構築する必要があります。
医療は、市民の命を守る最後のとりでであります。その体制を将来にわたり維持することは、市長の明確な責務であります。問われているのは、このまちの医療をどのような意思と判断で守り抜くのか、その覚悟であります。
そこで、伺います。
救急医療体制の維持・強化に向け、医療機関との連携強化と、受入体制の確保など、市民の命を守る持続可能な医療体制を将来にわたり、本市に確実に残していくための具体的方針と揺るぎない覚悟について、市長の明確な見解をお示しください。
次に、佐賀関大規模火災の検証と防災体制の強化及び復興について伺います。
今回の佐賀関地域における大規模火災は196棟が焼損し、1名の貴い命が失われ、多くの市民が住み慣れた家と日常を同時に失うという本市にとって極めて重大な災害となりました。被災された皆様の不安と、喪失の重みを思うとき、行政の責任の重さを改めて深く受け止めなければなりません。
同時に、昼夜を問わず対応に当たられた本市職員、消防局、消防団、この火災に関わる全ての皆様の懸命な御尽力に敬意を表します。深く感謝申し上げるとともに、その経験を本市の防災力向上へと確実につなげていく必要があります。
問われるのは、初動は適切であったのか、情報伝達は十分であったのか、市民の避難と生活再建は迅速に支えられたのか、そして何よりこの教訓を次にどう生かすかであります。
また、復興とは単なる原状回復ではありません。より安全で持続可能な地域へと再構築することにあります。
さらに、災害は火災だけではありません。豪雨、地震、線状降水帯。自然災害は激甚化し、いつどこで起きてもおかしくない現実があります。
防災とは、災害後の対応ではなく、災害前の備えであります。市民がいつ逃げるのか、どこへ逃げるのか、誰が支援するのかを具体的に理解して初めて防災計画は機能します。
そこで、伺います。
今回の災害対策本部における初動体制や、被災者支援等の対応の総括と課題認識、そして、その教訓を踏まえた体制の見直しなどについて、高齢者や障害者などの対応を踏まえ、市民の命を守る最終責任者である災害対策本部長として、市長の明確な決意と方針をお示しください。
また、佐賀関の復興について、都市防災の強化や被災地域の住居確保など、どのような将来像を描き、具体的に進めていくのか。市長のお考えをお聞かせください。
次に、消防団の体制について伺います。
防災の最後のとりでは人であります。設備や計画が整っていても、現場で動く人がいなければ市民の命は守れません。その最前線に立つのが消防団であります。
昨年11月の佐賀関地域での大規模火災においても、消防団の迅速な初動対応は、被害拡大の防止に大きく寄与しました。地域を知り、誰よりも早く駆けつける存在、その力こそ地域防災の要であります。
私自身、消防士として活動する中で、消防団の皆様と共に現場に立ち、その責任の重さと献身を身をもって感じてきたところでございます。しかし、全国的に消防団員数は減少を続けており、本市においても、担い手確保は喫緊の課題であります。
消防団員の減少は、人員の問題にとどまらず、地域防災力そのものの低下につながります。消防団を守り、その活動を持続可能なものとすることは、市政の重要な責任であります。
消防団は、いざというときの存在ではありません。今、このまちの安心を支えている存在であります。その現実を踏まえ、担い手確保と活動環境の整備を市政の重要課題として位置づける必要があると考えます。
そこで、伺います。
消防団員数の減少とその背景をどのように分析し、地域防災力への影響をいかに認識しているのか。処遇改善や企業との連携、若年層及び女性の参画促進を含む、担い手確保に向けた具体的施策をどのように展開し、市民の命を守る消防団を将来にわたり持続可能な体制として維持していくための基本方針をどのように確立するのか。消防行政の管理者である市長の明確な方針と揺るぎない覚悟をお示しください。
次に、動物愛護の推進について伺います。
現在、多くの市民にとって動物は単なる存在ではありません。家族であり、支えであり、そして生きる力を与えてくれる存在であります。特に、高齢者の単身世帯が増える中で、動物は孤立を防ぎ、日々の暮らしを支える大切な存在となっています。
その一方で、多頭飼育崩壊、飼育放棄、飼い主の高齢化など、深刻な課題が存在しています。
これらは単なる動物の問題ではありません。その背景には、孤独、孤立、生活困窮といった人の問題が存在しています。動物の問題と人の問題は切り離すことのできない課題であり、解決には福祉部門との連携が必要です。
また、動物愛護にはボランティアの方を含め多くの方が関わってくださっていますが、善意だけに委ねるものではありません。行政が責任を持って未然防止から、保護、譲渡、適正飼養の推進まで一体的に取り組むべき政策であります。
社会の中で共に生きる動物の命にどう向き合うのか。それは、このまちの価値観そのものを映すものであります。
そこで、伺います。
動物愛護行政をどのように進めていくのか。市長のお考えをお聞かせください。
次に、スポーツ資源の都市戦略について伺います。
スポーツは人の心を動かします。そして人の流れを生み、まちににぎわいをもたらします。
本市は、2002年FIFAワールドカップの開催都市として世界とつながりました。そのレガシーは今もなお、このまちの誇りとして生き続けています。
そして今、大分トリニータ、ヴェルスパ大分、先日JFLへの昇格を決めたジェイリースFC、大分B-リングス、バサジィ大分、スパークルおおいたレーシングチームなど、本市を拠点とするクラブが多くの人をこのまちへ呼び込み、交流とにぎわいを生み出しています。
スポーツは単なる競技ではありません。それは、人を呼び、まちを動かし、都市の価値を高めるまちづくりそのものであります。
人口減少の時代にあっては、人が訪れ、人が集い、人がこのまちに誇りを持つ理由をつくり続けることが不可欠であります。
そこで、伺います。
本市として、スポーツクラブやスポーツ施設を都市の重要な資源として、どのように位置づけ、その持つ力を生かしながら、交流人口の拡大とまちの活性化、さらには本市の未来を支える都市戦略へ、どのようにつなげていくのか。市長の明確な方針をお伺いいたします。
市政運営の方向性から、防災、福祉、教育、地域医療、地域経済、そして都市基盤に至るまで、本市の持続可能性と市民の命と暮らしに直結する課題について伺ってまいりました。
これは一つ一つは個別の課題であります。しかし、その本質はただ一つであります。それは、このまちをどのような志で、次の世代へ引き継いでいくのかという問いであります。
人口減少が進み、社会構造が大きく変化する中で、今求められているのは、目の前の課題への対応だけではありません。このまちの未来の姿を明確な意志をもって示すことであります。何を守るのか、何を伸ばすのか、そしてこのまちをどこへ導くのか。その決断こそが、今このまちをあずかる者に課せられた最も重い責任であります。
中心市街地の22街区、54街区、中九州横断道路、東九州新幹線、豊予海峡ルート、これら一つ一つは個別の課題であります。しかし、その答えは結局一つに集約されます。本市がどのような都市として未来を生きていくのか。その進路を決定づける極めて重要な選択であります。
中心市街地は都市の顔であります。そこに何をつくり、何を残し、どのような未来を描くのか。
中九州横断道路は本市と熊本を結び、産業、物流、防災の基盤となり、本市の可能性を大きく広げる国家的プロジェクトでもあります。
さらに、東九州新幹線及び豊予海峡ルートは、本市を九州、そして日本の広域交通の中核へと押し上げる可能性を持つ未来への扉でもあります。
しかし、どれほど交通網が整備されても、都市としての意思がなければまちは発展しません。中心市街地、広域交通、これらを一体の都市戦略として示し、未来へ投資していくことが不可欠であります。
都市の未来は自然に生まれるものではありません。それは、今を担う者の明確な意思と覚悟ある決断によってのみ、形づくられるものであります。
そして、その責任を担っているのが市長であります。
足立市長、伺います。
中心市街地の在り方について、何を最優先の判断軸として位置づけ、どのような都市構造を将来世代へ残していこうとしているのか。また、中九州横断道路、東九州新幹線及び豊予海峡ルートを、本市の未来を切り開く国家基盤としてどのように位置づけ、このまちをどのような都市へ導こうとしているのか。
そして、市民がこのまちの未来に誇りを持ち、このまちを信じて進めるまちとして、本市をどのような都市として未来へ引き継いでいくのか。
私自身も、このまちの未来に責任を負う一人として覚悟を持って臨みます。
市政をあずかり、このまちの進路を決める責任を担う市長として、揺るぎない決意を市民と未来の世代に向けてお示しください。
以上で、自由民主党を代表して、進義和の質問を終わります。
○議長(田島寛信) 足立市長。
○市長(足立信也)(登壇) 自由民主党を代表しての進義和議員の質問に対し答弁いたします。教育問題につきましては、教育長から答弁いたします。
まず、市民の暮らしと未来を守る市政についての4点の質問にお答えいたします。
1点目の市長の使命と市政の羅針盤についてです。
言うまでもなく、地方自治体の使命は市民の福祉の増進です。市長就任以来、私は「ひとが真ん中。」を基本姿勢として、全ての市民が身体的、精神的、そして社会的にも満たされたウェルビーイングな社会、誰もが幸せを実感できる大分市の実現を目指し、市政運営に取り組んでまいりました。
市民の皆様にお示しした政策集につきましては、68項目全てについて実現または方向性を決定しています。これまでに実現した取組を含め、令和7年度12月補正予算計上分まで合わせますと、134の事業を新たに実施し、60の事業を拡充しています。
特に、多くの部局に関わり、実現に時間を要する重要な取組については、現在、大分市総合政策企画会議において、次の4つの部会を設け、検討を進めています。
脱炭素社会部会では、2050年カーボンニュートラル達成に向けた取組、医療と介護のネットワーク部会では、ICTの活用などによるネットワークの構築、交通システム部会では、交通に関わる施策の体系的な整理と渋滞緩和、市有施設を活用した中心部の活性化部会では、県都を象徴する中心部の市有施設の在り方について、それぞれ議論を深めてまいります。
とりわけ、中心市街地全体の魅力を高める22街区、54街区の利活用については、新たなアイデアを御提案いただいた民間事業者の皆様との対話を経て、今後は外部有識者による協議会や、若者が積極的に参画できる意見交換の場などを通じて検討を進め、年内を目途に市民の皆様に方向性をお示ししたいと考えています。
また、民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロと地域課題解決の同時実現を目指す脱炭素先行地域の取組として、議員御指摘のように、去る2月13日に本市の提案が国から選定されました。本事業を通じて、本市の取組テーマである地域医療の継続性の向上を図りながら、脱炭素社会の実現に向けたさらなる取組を推進してまいります。
さらに、交通渋滞緩和につながる施策の一つとして、昨年10月に市職員の時差通勤を試行的に実施したところ、一定の効果が確認されたことから、本格的な運用を本年4月に開始することとしました。その効果をさらに高めるために、民間事業者との連携についても進めてまいります。
任期最終年を迎えるに当たり、佐賀関の復興を着実に前進させることと併せて、物価高への対応として、生活者はもとより、事業者へも目配りしつつ、的確な対策を講じてまいります。
今後の人口減少・少子高齢化をはじめ、デジタル化の進展、脱炭素社会への移行など、社会経済情勢が変化する中で、県全体の発展を牽引する先導的な役割を果たしながら、国や県、周辺自治体とも連携してまいります。
また、昨年の官製談合などの不祥事における第三者調査委員会報告及び内部調査報告を受け、大分市あらゆる差別の撤廃及び人権の擁護に関する条例を廃止し、新たに大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例を本定例会に提出しております。これを含め、両報告において指摘、提案された項目への対応は新年度中に全て完了する予定です。
次の時代に向けたまちづくりの指針である大分市総合計画の下、引き続き市民の皆様を将来にわたって、守り、育み、支え、そして豊かに、元気にする、ひとを中心に置いたまちづくりをより一層力強く進め、次の世代にとっても誇りが持てる大分市の実現を目指してまいります。
2点目の総合計画の成果と説明責任についてです。
本市の最上位計画である今年度定められた大分市総合計画は、全ての人が、身体的・精神的・社会的に満たされ、誰もが幸せを実感することができるウェルビーイングな社会を実現するために、市民とともに目指すまちの長期の方向性を示すものです。
総合計画で掲げる41の施策は、毎年行う行政評価において、成果指標を基に進捗状況を確認するとともに、市民意識調査による市民の意識、満足度等を踏まえ、施策の進捗や今後の展開等について内部評価を行うこととしております。
内部評価結果は、外部の有識者等で構成する大分市行政評価・行政改革推進委員会に諮り、市民の視点に立った外部評価を受け、結果を公表してまいります。
また、予算への反映については、41の施策を構成する約1,300の事務事業において、総合計画との整合を図るとともに、事業の優先度や方向性に係る評価を行い、翌年度の予算に反映していくこととしております。
こうした取組により、市民とともに、誰もが“幸せ”を実感できるまちOITAの実現を目指してまいります。
3点目の持続可能な財政運営についてです。
本市の令和6年度決算においては、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は97.0%と依然として高い水準で推移しており、特に扶助費をはじめとする社会保障関係費や、近年の民間給与引上げに伴う職員人件費、昨今の金利上昇による公債費の増も見込まれるなど、義務的経費の大幅な伸びが続いています。
また、エネルギー、物価、労務単価の高騰により様々な経費が増加しており、令和5年度決算では30億円、令和6年度決算では23億円と2年連続で主要3基金を取り崩す対応を余儀なくされました。
加えて、新年度以降は事業の最終段階を迎えた新環境センター整備事業に係る市債借入の大幅増などにより、さらなる公債費の負担増などが見込まれることから、厳しい財政状況が続くことが懸念されます。
その一方で、佐賀関大規模火災からの復興関連事業をはじめ、長引く物価高への対応、子育て施策の充実や高齢化の進展を踏まえた社会保障施策、安全・安心な医療、防災体制の構築など、複雑化・多様化する市民ニーズに的確に応えていくことが必要です。
また、中心部を活性化する上で、大きな原動力となる22街区、54街区の利活用推進や、脱炭素先行地域づくり事業をはじめとする将来的な事業展開を見据えた取組など、次の世代にとっても誇りが持てる大分市の実現に必要な施策にはしっかりと予算を確保していかなければなりません。
こうした状況を踏まえ、行政評価において、事業開始から5年以上経過したもののうち、法令等に基づくなどの市に裁量がないものを除く全ての事業に対し、有効性、公平性などの観点からさらなる事業見直しの検討を行いました。
また、社会経済状況の変化などから必要性が低下している事業、費用対効果が低い事業などについて、選択と集中の考えの下、全部局を挙げて事業内容を精査した結果、63事業について廃止や縮小などの見直しを実施し、合わせて23の新規事業を計上したところです。
歳入についても、主要3基金の活用を前年度当初予算と比べ、18億3,000万円を抑制する一方で、未収金の発生防止、徴収の取組や、ふるさと納税の推進、市有財産の積極的な売却を進めるとともに、昨年10月には、今後増加が見込まれる公共施設の維持管理経費を考慮する中、新たに策定した算定基準に基づき、施設の使用料を改定するなど、将来を見据えた財源確保の取組を行いました。
今後とも、決算収支を見通す中で、交付税措置のない市債の借入れを可能な限り抑制するなど、市債残高にも留意し、将来世代への負担に配慮するとともに、必要な財源の確保はもとより、さらなるコスト意識の下で財政収支の中期見通しや基金残高などにも十分留意しながら、時代に即した行政サービスが提供できるよう、持続可能な財政運営に努めます。
4点目の人口減少時代の重点戦略についてです。
本市の人口は、大分県人口推計報告によりますと、昨年10月1日現在、46万8,938人と平成20年以来17年ぶりに人口が47万人を下回り、平成29年から8年連続の減少となっております。その主な要因は、少子化に伴う自然減であり、平成元年頃は4,500人前後で推移しておりました出生数も3,065人まで減少しております。
本市では人口減少により生じる諸課題に的確に対応するため、令和7年3月に第3期大分市総合戦略を策定し、しごととにぎわいをつくる、人を大切にし、次代を担う若者を育てる、いつまでも住み続けたいまちをつくる、安心・安全なくらしを守り、未来をつくる、この4つの基本目標を掲げ、地方創生に向けた施策を集中的、重点的に推進しております。
若者や子育て世代に選ばれるまちであり続けることは、重要な視点であると考えており、市長就任以降、「ひとが真ん中。」を基本姿勢とする中で、中学生学校給食費無償化や子ども医療費助成の拡充によって、子育て世帯への経済的な負担を軽減するとともに、返還免除型奨学資金の創設、新設によって、一度県外、市外へ出た若者のUターンを促進する取組も行っているところです。
人口減少が進行する中で、今後も若者や子育て世代に選ばれるまちであり続ける視点も大切にしながら、総合戦略に掲げた4つの基本目標の達成に向け、将来にわたり自律的で持続可能なまちづくりを進めてまいります。
次に、安心して暮らせる安全なまちづくりについての3点の質問にお答えいたします。
1点目のインフラの老朽化対策についてです。
本市では、昭和39年に新産業都市に指定されて以降、道路、橋梁、上下水道などのインフラや、学校や公民館などの公共建築物を含めた公共施設を集中的に整備してきました。
これら公共施設で老朽化が進行し、改修や更新時期を迎える一方で、人口減少の進行により、将来的な税収等の増加が見込めないなど、老朽化した公共施設の更新費用が大きな課題となっています。
そのため、令和7年3月に大分市公共施設等総合管理計画を改訂し、定期的な点検や修繕の実施による予防保全と施設の長寿命化の推進を図っております。
また、各施設は、公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を策定することとしております。
道路、橋梁、上下水道等のインフラの個別施設計画では、重要度に応じた維持管理水準を設定し、効率的な修繕や更新を実施しております。
特に、埼玉県八潮市の陥没事故を受け、本市の下水道管路についても、大規模下水道管路特別重点調査を実施したところであり、対策を講じる緊急性が高いと判定されたものに関しては、順次、優先的に改築や補修を進めております。
公共建築物の個別施設計画でも、点検や修繕、改修などの保全サイクルによる維持管理や、必要な個所に対して適切な時期に長寿命化改修の実施を行っております。
一方で、施設総量の適正化を進めることも重要な課題です。利用状況や老朽化度等を踏まえた施設評価を行い、施設の在り方を整理しております。
あわせて、大分都市広域圏における公共施設の相互利用の促進や、県との施設機能の役割分担も議論しております。
このような取組を行う中で、今後もライフサイクルコストの縮減と財政負担の平準化を図るとともに、安全性と利便性をしっかり確保していくことで、誰もが安心して利用できる公共施設等の提供を行ってまいります。
2点目の行政DXの推進についてです。
生産年齢人口の減少による人材不足が懸念される中、市民一人一人に寄り添い、きめ細やかで質の高い行政サービスを実現するためには、行政手続のオンライン化をはじめとする行政サービスのデジタル化が不可欠となってきております。
また、デジタル技術の活用や業務改善により、行政事務を省力化、効率化することで、市政における地域課題の解決に必要な優先度の高いとされる業務へ、これまで以上に人員配置を行うことが必要であると考えております。
こうした認識の下、本市では、令和6年度に策定した大分市DX推進計画において、市民サービスの向上、行政事務の効率化、人材育成を3つのビジョンとして掲げ、その実現に向けて取り組む32の個別施策をアクションプランにまとめ、行政手続のDXや事業者の支援、子育て環境及び教育環境のDXなど、様々な取組を推進しております。
今後も、デジタル技術を活用した各種施策を着実に推進することで、誰もがデジタル化の恩恵を享受できるよう、未来に向けて新たな価値や良質な行政サービスを提供してまいります。
3点目の環境及び脱炭素政策についてです。
持続可能な環境政策の推進についてですが、本市では、令和6年9月に策定した大分市地球温暖化対策実行計画に基づき、市民、事業者、行政等の幅広い主体が徹底した省エネルギー対策や再生可能エネルギーの最大限の導入、廃棄物の排出抑制、森林等による吸収源対策を進めるとともに、CCUSや水素エネルギーなどの革新的技術等を活用し、連携、協力による取組を進めているところです。
また、2月には本市の事業提案が国から脱炭素先行地域に選定されたところであり、今後は交付金を活用し、脱炭素と医療をテーマとした先進的な脱炭素モデルの構築と、エリア内の民生部門において、太陽光発電設備や蓄電池等の省エネ設備の導入補助などを実施し、二酸化炭素排出実質ゼロの実現を進めてまいります。
さらに、省エネ家電の購入費の助成について、新年度は予算を拡充するとともに、新たに家庭用LED照明を助成対象に加え、家計負担の軽減と温室効果ガス削減のさらなる推進を図ります。
このような取組を一体的に進めるため、本年4月から環境部内に環境政策課を新設し、脱炭素社会の推進や、循環型社会の構築に向けた体制を強化するとともに、カーボンニュートラルに向けた取組を先導的に行うことで、全国の先行例や模範となり、脱炭素ドミノの起点となることを目指してまいりたいと考えております。
次に、働く人と地域の活力を守るまちづくりについての3点の質問にお答えいたします。
1点目の中小企業支援と契約制度についてです。
まず、中小企業支援について、中小企業を取り巻く環境は、不安定な国際情勢や、激変する社会経済情勢の影響による原材料価格の高騰、後継者を含む人手不足、賃金上昇、それに伴う社会保険料の負担増など、厳しい状況が続いております。
こうした状況を踏まえ、令和7年度は小規模事業者の販路開拓や、業務効率化に対する支援を強化するため、DX推進枠を拡充するとともに、中小企業者の設備投資に対する補助制度に脱炭素化促進枠を創設し、省エネルギー化を後押しするなど、中小企業者等の多様化するニーズに対応してきたところです。
令和8年度においては、中小企業の労働力確保等を支援するため、従業員の持続的な賃上げを行う事業者に対して、奨励金を交付する制度を創設することとしております。
さらに、事業継続や雇用の維持等につなげるため、事業承継に係る補助制度において、売手だけではなく買手も補助対象者に加えるとともに、買手側が実施する承継実現に向けた調査や、登記に係る経費も支援することとしております。
今後も支援機関等と連携しながら、中小企業が直面する課題を的確に把握し、時代の変化と企業ニーズに応じた施策を展開することで、地域経済の持続的な成長につなげてまいります。
次に、市の契約制度と地域企業の持続可能性についてです。
本市が発注する契約においては、国や公的機関が作成する最新の工事標準歩掛や業務標準歩掛、労務単価を適用して予定価格に反映し、標準歩掛に該当しない業務については、見積りを徴収して反映することによって、適正な予定価格を設定しているところです。
また、本市では、地場企業の経営の安定や健全な育成に資するよう、地場企業への優先的な発注を行っており、分割発注や共同企業体の活用など、発注方法を工夫する中で、地場企業の技術力や業務の履行能力の向上を図っているところです。
こうしたことから、本市の契約制度は、地場企業の持続可能性に寄与しているものと認識しております。
引き続き、適正な予定価格の設定と地場企業への優先発注に努めるとともに、経済社会情勢の変化や国の動向等を注視しながら、適切な対応に努めてまいります。
2点目の持続可能な観光についてです。
本市では、大分市総合計画の具体的な政策として、魅力ある観光の振興を掲げており、目指す姿として、国内外から旅行者が訪れ、観光消費の拡大等が図られており、観光産業が成り立っていること、また、広域的な連携がより強固となり、旅行者や観光関連事業者、地域住民の相互理解により、持続可能な観光が実現していることを設定しております。
その実現に向け、高崎山自然動物園をはじめとする観光施設や温泉、海、山などの豊かな自然とこれらに育まれた食など、本市が有する様々な観光資源を活用するとともに、産業都市であり、多くのビジネス客が訪れている特性を生かし、各種施策に取り組んでいるところです。
特にグリーン・コンビナートへと変化していく工場群などを生かした新たな産業観光コンテンツの開発や、ワーケーションの利用促進、サイクルツーリズムなどの体験型観光を推進し、旅行者の滞在時間の延長を促すことで、観光消費の拡大を図るとともに、経済波及効果が期待できるMICE誘致に取り組んでおります。
また、県内外の市町村と連携したプロモーションや共同イベントなどによる広域観光の周遊を促進するとともに、道の駅たのうららを観光と交流の拠点として活用し、各市町村の観光情報の発信や、さらなる本市の魅力の向上とにぎわいの創出を図っております。
加えて、幅広い分野で活躍されている8人1団体となる大分市魅力発信アンバサダーの情報発信力を生かし、本市の魅力発信に努めております。
今後におきましては、県や様々な団体、事業者等と連携し、持続可能な観光の実現に向けて取り組んでまいります。
3点目の農林水産業と地域産業の振興についてです。
農林水産業は、食料の安定供給、水源の涵養、自然環境、景観の保全などの多面的機能を有しており、地域や市民生活を支える重要な産業であると認識しております。
しかしながら、農林水産業を取り巻く環境は、農林水産業者の高齢化や担い手不足に加え、国際情勢の変化による生産資材の高騰や夏場の高温化など、ますます厳しくなっております。
このような中、本市では、農林水産業を地域の基幹産業として、持続的な発展ができるよう定めた大分市農林水産業振興基本計画に基づき、担い手の確保に向けた研修の実施や、就業後の経営安定を図るための新たな担い手経営開始等支援事業や、漁業新規就業者育成支援事業などの補助金により、新規就業者が地域に定着し、活躍できるよう支援を行っております。
また、農林水産業者の経営基盤強化のためのビニールハウスなどの施設整備や、機械、漁業機材などの導入に対する支援、生産基盤強化のための圃場や農道、林道などの整備や増殖礁の設置、さらには、農林水産物の付加価値を高める6次産業化の推進など様々な施策を展開しております。
今後もこれらの施策を着実に実施していくことで、将来にわたって持続可能な農林水産業の振興を図ってまいります。
次に、子供から高齢者まで安心して暮らせるまちづくりについての6点の質問にお答えいたします。
1点目の若者が活躍できるまちづくりについてです。
未来を担う若者が、社会の様々な場面に参画し、活躍するためには、若者の意見を反映する仕組みや活動に対する支援を充実させ、若者の持つ能力や行動力を十分に発揮できる環境を整備することが重要と考えております。
こうした認識の下、若者の声を市政に反映する取組として、大分市総合計画等策定若者ワークショップをはじめ、各種会議において、若者世代の参画を推進しております。
加えて、令和7年度からは、若者の目線で市に対して、事業やアイデアの提案等を行う自分とマチを彩る若者会議を設置し、若者がまちづくりに参画しやすい仕組みの構築に取り組んでいるところです。
引き続き、若者活躍推進プランに掲げる施策に関する情報など、市政情報についてSNS等を活用し、未来を担う多様な若者に届けるとともに、若者会議をはじめ、様々な場面において若者世代の参画の機会を確保してまいります。
また、施策の推進に当たりましては、市民意識調査における若者が活躍しやすいまちと感じる市民の割合を指標とし、各施策の進捗状況について検証を行い、必要に応じて改善を図ることで、実効性を高めてまいります。
今後も、若者活躍推進プランの基本方針に基づき、若者が持つ活力が、社会に生み出されるとともに、新たな世代にもその活力が循環するまちの実現に取り組んでまいります。
2点目の子育て支援についてです。
子ども・子育て施策の推進につきましては、昨年3月に策定した第3期すくすく大分っ子プランにおいて、ライフステージに応じた支援として、妊娠・出産・育児の切れ目のない支援の充実や乳幼児期における教育・保育の提供など、7つの目標を、ライフステージを通した継続的な支援として、子どもと家庭へのきめ細かな支援や子どもと子育てを支える社会づくりなど4つの目標を掲げており、107の具体的な施策を推進しております。
その施策の効果については、毎年、外部委員から成る大分市子ども・子育て会議において、計画の進捗状況を検証するとともに、市民意識調査や子育てアンケートを行うことで、成果の達成度の把握に努めております。
また、今後の社会情勢の変化などに伴い生じる新たな課題につきましても、子育て家庭のニーズを的確に把握する中で、全ての妊産婦、子育て世帯、子供への相談支援体制の充実を図りながら、適切に対策を講じてまいります。
さらに、本市の子育て支援策が必要な世帯に確実に届くよう、本年4月にリニューアルする大分市子育て支援サイトnaanaや、大分市電子母子手帳アプリ―_おーいたっちによるプッシュ型通知などを通じて、積極的な情報発信に努めてまいります。
3点目のひとり親家庭の支援についてです。
ひとり親家庭につきましては、子育てと就労の両立や経済的困難、社会的孤立等の複合的な課題を抱えている場合が多いものと認識しております。このような方が孤立することなく、安心して子育てができる環境を整えることは、重要な責務であると考えております。
こうしたひとり親家庭への支援につきましては、母子父子自立支援員により、離婚前から相談者の困りを的確に把握し、必要に応じて本市関係部署はもとより、ハローワークや大分市社会福祉協議会等と情報を共有し、就労や生活支援が途切れることのない体制を構築しております。
支援を必要とする家庭につきましては、保育所や学校等、子供と日常的に接する関係機関や、地域の身近な相談相手として活動する民生委員・児童委員、さらには、子ども食堂等の民間団体やNPO法人等と連携を図り、孤立することがないよう努めております。
また、子供自身が安心して相談できる窓口の周知や、環境整備を行い、子供の声が直接届く仕組みづくりにも取り組んでおります。
今後もこうした取組を継続するとともに、子供の利益を最優先に、家庭の状況に応じた適切な支援が行えるよう、関係機関との定期的な情報共有や、相談者へのフォローアップを強化し、ひとり親家庭の方が安心して子育てができる支援体制の充実に取り組んでまいります。
4点目の高齢者の見守り体制についてです。
住み慣れた地域で安心して暮らし続けることは、大分市高齢者福祉計画及び第9期大分市介護保険事業計画にも、基本理念として掲げられており、本市が目指すべきものであると認識しております。
身寄りのない独り暮らし高齢者の支援には、日常的な見守りや地域における孤立化の解消、医療や介護が必要となった際の生活支援など、多岐にわたる重層的な対応が求められます。
本市においては、高齢者の見守り、安否確認を目的とした各種事業の実施に加え、民生委員・児童委員による75歳以上の独り暮らし高齢者を対象とした実態把握のための調査を毎年実施し、調査結果を地域の相談援助業務に活用するとともに、同意が得られた方の情報は地域包括支援センターと共有し、地域での見守り活動に役立てています。
また、高齢者の状況に応じて、庁内関係課や成年後見センター、社会福祉協議会などの関係機関と連携し、総合的な相談体制の構築を進めているところです。
こうした取組を着実に推進することにより、高齢者福祉計画及び介護保険事業計画の基本理念である、いつまでも自分らしく 安心して暮らせる あたたかさあふれるまちづくりの実現を目指してまいります。
6点目の地域医療と救急体制についてです。
本市においては、夜間や休日の急な体調不良時には、在宅当番医制による初期救急医療体制を構築しており、より高度な治療や入院等が必要となった際には、第二次救急医療機関につなぐこととしております。
加えて、夜間、休日の医療ニーズの受皿として、さらには救急車の適正利用や救急医療機関の受診の適正化の効果も期待し、令和6年10月から大分市救急医療電話相談事業♯7119を県内で先駆けて運用いたしました。
さらに、手術支援ロボットの人材育成に係る研修費用等を助成する手術支援ロボット導入・普及支援事業に加え、新年度には、画像診断等AI導入費助成事業に取り組むこととしており、こうした事業を通じて、医療従事者の業務負担の軽減と医療の質、患者サービスの向上を図ってまいりたいと考えております。
また、昨年10月から実証事業を行ってきましたマイナ救急を本年4月から本格運用する予定としており、現場から医療機関への搬送時間の短縮が期待されます。
本市といたしましては、市民の命を守るため、今後も関係機関等と連携を図る中、救急医療体制をしっかりと確保するとともに、本市独自の各種施策も着実に進めながら、より質の高い医療サービスの提供につなげてまいります。
引き続き、「ひとが真ん中。」を基本姿勢とし、全ての人を守るため、子供から大人まで、誰もが必要な医療を受けることができる体制づくりを進めてまいります。
次に、災害から命と暮らしを守るまちづくりについての2点の質問にお答えいたします。
1点目の、佐賀関大規模火災の検証と防災体制の強化及び復興についてです。
昨年11月18日に佐賀関で発生した火災では、被災者への迅速な避難支援や、懸命な消火活動などに努める中、災害対策本部を設置し、県への災害救助法の適用申請や自衛隊派遣要請を速やかに実施いたしました。
また、避難の長期化を想定し、避難所に市民サポートセンターを開設して、避難者の心配や困りに対応するとともに、NPOなどの支援団体や関係機関等の協力を得ながら、被災者支援や落ち着いて生活できる仮住まいの提供に努めたことで、12月26日に全避難者の転居が完了したため、避難所を閉鎖し、対策本部を廃止いたしました。
この間の対応は、迅速かつ適切に行えたものと考えておりますが、関係機関等との連携など整理すべき課題もあると認識しております。
現在、庁内で課題の検証作業を行っており、その結果を踏まえて、早い段階で地域防災計画や各種マニュアル等の見直しに反映してまいりたいと考えております。
今回の火災により、自助、共助の重要性を改めて認識したことから、市域全体で甚大な被害が想定されている南海トラフ地震等の大規模災害に備え、災害に応じた避難行動の事前確認などの啓発や、自主防災組織における要配慮者も含めた訓練の実施など、地域防災力向上の取組を着実に推進してまいります。
また、支援団体や関係機関等との連携強化に努めるなど、防災体制の一層の強化を図り、市民の安全・安心確保に万全を期してまいります。
次に、佐賀関の復興についてです。
最優先となるのは、被災された住民の皆様が生活再建や復興について、どのような意思決定をされるかのかが極めて重要であると考えております。
発災後、我が家を失い、新たな住まいで生活を行う被災者の生活再建の一助となるように、火災見舞金や、被災者生活再建支援金の支給、災害義援金の配分を速やかに行っております。
2月25日からは、本市職員が中心となって、被災者支援チームを組織し、アウトリーチによる必要な情報の提供や、行政手続等のサポートをする中で、被災者の主体的な生活再建に向けた意向の聞き取りを開始しており、今後も調査を重ねることとしております。
被災した田中地区の自治会で構成する連合区において、田中連合区復興事務局を設置し、地元関係者や有識者で構成する組織を自主的に立ち上げ、復興に関する調査、研究を行うと聞いております。
新年度には田中連合区復興事務局との協議や、地区別に意見交換会を行うなど、様々な場を通じて被災者や地域の意向を把握するとともに、少子高齢化や災害リスクなどの地域が抱える課題を踏まえ、防災道路の整備をはじめとした都市防災の強化、自主的な住まいの再建や、復興市営住宅の整備など、被災者や地域が考える将来像を確認してまいります。
様々な困難も予想されますが、まずは復興市営住宅の整備に着手し、被災地区住民の皆様の意向を尊重した復興計画の早期策定などに取り組んでまいります。
2点目の消防団の体制についてです。
本市の消防団員数は、人口減少や少子高齢化の進展などを背景に、全国と同様に減少傾向にあり、地域防災力の維持、向上を図っていく上では、消防団員の確保は重要な課題であると認識しております。
このような中、本市では、出動報酬の拡充や詰所等の環境整備などの処遇改善を図るとともに、若年層や女性、企業をターゲットにした広報を展開し、消防団の認知度向上や加入促進に努めています。
さきに発生しました佐賀関大規模火災においても、消防団の要員動員力や即時対応力、地域密着性といった特性が十分に発揮され、改めて消防団の必要性が認識されたところであり、地域の安全を支える存在として果たす役割はますます重要となっています。
こうした中、本市では、令和8年度からの10年間を計画期間とする第2期大分市消防団ビジョンを策定したところであり、本ビジョンに基づき、消防団員のやりがいを高める対策を講じながら、地域に親しまれ、活力ある消防団を目指して、取り組んでまいります。
消防団は、消防本部や消防署と同様、消防組織法に基づき、市町村に設置される消防機関であります。消防団員の確保が困難な地域においては、組織の再編も視野に地域防災力を維持しつつ、今後も消防職員と消防団員が命を守る最前線で活躍できるよう消防体制の一層の充実強化を図ってまいります。
次に、命を大切にする優しいまちづくりについての質問にお答えいたします。
動物愛護の推進について、本市では、おおいた動物愛護センターを中心に、動物愛護に係る各種事業を行っており、小学校で保護犬と触れ合いながら学ぶ命の授業などに力を入れているところです。
また、令和6年度からは、地域猫グループへの不妊去勢手術の助成金を増額するなど、地域猫活動の推進に努めております。
多頭飼育崩壊の未然防止などにつきましては、関係課で情報共有、連携を図り、ボランティアの方々の協力も得ながら対応しております。
今後とも、人と動物が共生する社会の実現のため、関係課、動物愛護団体等との連携を密にし、市民の皆様に動物愛護に関する情報発信、普及啓発に努めてまいります。
次に、スポーツを通じたまちづくりについての質問にお答えいたします。
本市を拠点とし、九州や全国で活躍するスポーツクラブは、市民に夢や感動を与えるとともに、多くの人が集い交流が生まれる存在です。
また、スポーツ施設は市民のスポーツ活動を支えるとともに、各種大会やイベントの開催を通じて、にぎわいや人の流れを生み出す場となっております。これらは、スポーツを通じた交流やにぎわいを生み出す上で、本市にとって重要な資源であると認識しております。
こうしたスポーツ資源を生かし、スポーツイベントの開催や、スポーツチームの合宿誘致に取り組むとともに、これらの機会を生かし、来訪者を対象に市内観光や飲食店の利用など、まちなかの周遊につながる取組にも努めております。
なお、多くの人を呼び込むスポーツ施設については、県との役割分担や連携も重要なことから、本市と県が管理する主な運動公園の在り方を一体的に検討するため、県との協議を開始したところです。
今後につきましても、これらのスポーツ資源を本市の都市戦略を支える重要な要素の一つとして生かしながら、スポーツを通じた交流の促進を図るとともに、まちのにぎわいの創出や地域経済の活性化、都市の魅力向上につなげてまいります。
次に、将来世代に向けた都市の進路についての質問にお答えいたします。
大分市は502平方キロメートルと広大で、都市部と周辺部にそれぞれ課題があります。質問の中心市街地につきましては、全体を面的な視点で捉え、公有地の利活用や公共施設の再編、民間施設等との役割分担や連携を行う中で、既成市街地と共存共栄を図り、歩いて回遊でき、憩いと交流の場や、にぎわいが生まれることが重要であると考えております。
中でも、22街区、54街区に求められる役割、機能については、総合的に検討し、利活用の可能性を最大限に引き出し、より実現性の高い事業となるよう取り組んでまいります。
中九州横断道路につきましては、九州の中核都市として本市の機能強化が図られるとともに、地域間連携の推進をはじめ、物流、観光業の活性化、また企業立地の促進など、様々な面で波及効果が期待されていることから、今後も未着手区間の早期事業化へ向けて、国への要望などを行ってまいります。
さらに、仮に東九州新幹線や豊予海峡ルートによる交通ネットワークが構築されることとなれば、巨大な経済圏が形成され、将来の本市にとって大きな価値が創造されると考えております。
今後も県都大分市として、都市の顔となる中心市街地の形成を目指すとともに、広域交通網の整備効果により、経済、産業、物流の拠点となり、県全体の発展を牽引する先導的な役割を担う中で、次代を担う若者が本市の魅力を実感するとともに、未来へ向けて挑戦し、活躍できる大分市を将来世代へ確実に引き継いでまいりたいと思います。県都としては、オールマイティーであるべきだと私は考えております。
以上で私の答弁を終わります。
○議長(田島寛信) 粟井教育長。
○教育長(粟井明彦) 教育行政に関する御質問にお答えいたします。
学校の安全対策についてでございますが、学校は本来、児童生徒にとって最も安心して学ぶことができる安全な場所であるべきにもかかわらず、先般、市立中学校における生徒間暴力事案が発生したことについて、本市教育委員会として極めて重く受け止めております。
今回の事案を受け、児童生徒に係る重大な事案が発生した場合、校長のリーダーシップの下、直ちに校内で情報共有を行うとともに、被害を受けた児童生徒のケアを最優先に、保護者への連絡や教育委員会への報告、必要に応じて警察等関係機関との連携を図ること、また、平時から児童生徒や保護者との信頼関係を構築し、不安や悩みを安心して相談できる体制を整えることなど、保護者や関係機関等と連携した組織的な生徒指導体制の強化について、改めて全小中学校に指導したところでございます。
なお、学校規模の適正化につきましては、御指摘のとおり、過大規模校の課題として、教職員が児童生徒一人一人の個性や行動を把握できず、きめ細かな指導を行うことが困難となるなどの影響が生じる可能性があると考えております。
そのため、本市の過大規模校において学校運営に影響が生じる場合は、大分市立学校適正配置基本方針に基づき、通学区域の再編をはじめとした方策により、過大規模校の解消に取り組んでまいりたいと考えております。
本市教育委員会といたしましては、いじめや暴力行為を決して許さない、児童生徒の命と安全を徹底して守り抜くという強い決意の下、全小中学校を挙げて、組織的、機動的な体制の強化や、児童生徒が安心して過ごせる教育環境の整備等に全力で取り組む所存でございます。
○議長(田島寛信) しばらく休憩いたします。
午前11時49分休憩
◇─────────────────◇
○議長(田島寛信) 休憩前に続いて会議を開きます。
午後1時0分再開
○議長(田島寛信) 次に参ります。
ネットワークみらい代表、22番、うつのみや議員。
○22番(ネットワークみらい うつのみや陽子)(登壇)(拍手) 22番、ネットワークみらい、うつのみや陽子です。
会派を代表いたしまして質問をいたします。
私たち自治体議員は、市民の暮らしと命のそばにいる政治家として、市民の皆さんに寄り添い、皆さんの声を形にすることが大切な使命であると考え、これまでも多くの方々と対話を重ね、様々な声を受け取ってきました。
将来に希望を見いだせない若者、孤独の中にいる高齢者、日々の暮らしに困難を抱える障害者、差別や偏見にさらされるセクシュアルマイノリティーの方々、あるいは子育てや介護の重圧に押し潰されそうな女性たちの声、それはまさに社会の片隅で声を上げられずにいる人たちの切実な不安です。
今、大分市は大きな転換期にあると言えます。人口減少、物価高騰、そして、激甚化する災害など。こうした困難な時代にあって取り組まなければならないことは山積みです。
しかし、私たちの役割とは、声の大きな人の意見を通すことだけではありません。むしろ、届きにくい小さな声にこそ耳を傾け、その痛みや生きづらさを解消し、多様性をこのまちの力に変えていくことにあるはずです。多様性を認め合い、共に生きるという理念が市民の暮らしの隅々まで行き渡っているか。一人の母親、一人の女性、一人の生活者としての視点を持ち、一人一人の尊厳が守られる大分市を目指して、足立市長へ真摯に問いかけます。
なお、本日は、多くの学生の皆さんも傍聴いただいております。開かれた議会として、広く市民の皆さんへ、この代表質問を通して大分市の将来ビジョンが届くよう、できるだけ分かりやすい言葉で丁寧に質問をしてまいります。どうぞ答弁に関しても御配慮いただければ幸いです。
2025年9月、本市では、人口減少・少子高齢化社会に対応し、持続可能なまちづくりを目指す新たな大分市の総合計画、未来へつなぐおおいたビジョン2034が策定されました。副題にウェルビーイングな社会の実現に向けてとあるように、市民一人一人の身体的、精神的、社会的な幸せ――ウェルビーイングの実現に重点が置かれ、まさに足立市長が就任以来、基本方針とされてきた「ひとが真ん中。」が体現された内容であると感じています。
今回の代表質問では、本市にとって羅針盤となる大分市総合計画、未来へつなぐおおいたビジョン2034を念頭に置きながら質問してまいります。
最初に、市長の基本的な考え方についてお尋ねします。
足立市長は、就任以来、スピード感を持って数々の施策を断行されてきました。特に、マニフェストに掲げた事業の中でも、子育て支援や教育環境の整備など次世代への投資に注力されてきたと考えます。また、厳しい財政見通しの中、事業見直しやDXの推進など構造改革にも取り組んでこられました。
就任以来、市長が自らまいた種がどのように芽吹き、市民の暮らしをどう変えたと自己評価されているのか。任期最終年度を迎え、これまでの歩みをどう総括されているのか、率直な思いをお聞かせください。
また、令和8年度は、大分市総合計画、未来へつなぐおおいたビジョン2034が本格的な軌道に乗るべき重要な年でもあると考えます。経済的な豊かさだけではなく、市民一人一人がウェルビーイングを実感できる状態を目指すとするこの理念は、変化の激しい時代にあって非常に重要です。
新年度のスタートダッシュを確固たるものにするために、市長はどのような決意で市政運営に臨まれるのかお聞かせください。
さらに、大分市の未来に向けたビジョンについてお尋ねします。
本市においても生産年齢人口の減少は避けられない現実であり、2034年を見据えた10年間は、まさに都市の真価が問われる時期となります。厳しい現実に立ち向かい、大分市を選ばれる都市として持続させるためには、これまでの延長線上ではない大胆な発想の転換も必要ではないでしょうか。
市長が描く10年後、20年後の大分市の姿、そして、未来の大分市民へどのようなバトンをつなごうとされているのか、ぜひ大分市の未来ビジョンについてお聞かせください。
次に、今後の財政運営と令和8年度の予算についてお尋ねしていきます。
物価高騰は依然長期化しており、品薄が続いた米は高止まりしたままなど、食料品をはじめとした物価高騰は市民の暮らしを大きく揺さぶり、苦しい状況が続いています。また、事業者にとっても、原材料費などの高騰は経営努力だけでは吸収できない深刻な状況が続いています。市民の不安を払拭し、誰もが安心して暮らせる大分市を実現するためには、限られた財源の中、機動的な予算の組立てと実効性ある支援策が不可欠と考えます。
本市の財政状況に目を向ければ、扶助費などの社会保障関係費は年々増加しており、令和8年度当初予算では約775億8,000万円に達しています。また、民間給与の上昇に伴う職員人件費の増加に加え、エネルギーや物価、労務単価の高騰など様々な経費が増加し、予算を圧迫しています。
昨年10月に公表された財政収支の中期見通しでは、市税の増収は見込んでいるものの、2026年度からは毎年入るお金より出るお金が多い状態が続き、2029年度までの収支不足の累計額は約105億円に達すると試算されています。こうした収支不足への対応として、これまで積み増してきた主要3基金の取崩しを令和5年度決算で30億円、令和6年度決算では23億円と2年連続で着手しました。
足立市長は、このように非常に厳しい財政状況を自ら公表し、市民や議会に対して警鐘を鳴らすなど財政の透明性と危機意識の共有を行い、令和7年度予算編成では、廃止や見直しにより約5億5,000万円、令和8年度では8億円を捻出するなど、スクラップ・アンド・ビルドの姿勢を示してこられました。しかしながら、痛みを伴う施策に対して市民生活は大きく揺らいでいます。
改めて、足立市長は財政状況をどのように認識されているのか、あわせて、その状況を令和8年度予算にどのように反映し編成したのか、財政規律の観点も含め、市民の皆さんに分かりやすい言葉でお聞かせください。
次に、佐賀関の復興についてお尋ねします。
令和7年11月、佐賀関地区を襲った大規模火災から早くも4か月がたちました。190棟を超える建物が焼損し、多くの方々が住み慣れた家と地域での暮らしを奪われました。改めて、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方の御冥福をお祈りいたします。
火災鎮火から時間が経過した今も地域には深い傷痕が残り、被災者の中には、その姿を見ることもできないと心痛に言われる方さえおられます。生活再建の道のりは決して平たんではありません。本市の宝である佐賀関の活気を取り戻すために、被災者に寄り添い、被災者の方々と共に地域の未来を描く姿勢が一層求められていると考えます。
以下4点を中心に市長のお考えをお尋ねします。
1点目は、現在、多くの被災者が市営住宅や民間賃貸住宅での避難生活を余儀なくされています。急遽決まった仮住まいは、多くの支援者に支えられているものの、生活環境は以前とは大きく異なり、移動手段の確保や近隣とのつながりの希薄化、家財の不足など、日常生活の中に様々な不便が残っています。
また、住まいの再建には時間を要し、収入の減少や将来への不安を抱える方も少なくありません。こうした状況を踏まえると、被災者の生活再生と自立に向けた実効性ある支援を切れ目なく、個々の状況に応じて提供することが急務と考えます。
そこで、お伺いいたします。
市として、生活再建支援をどのような方針で進め、どのような支援体制を構築していかれるのでしょうか。
2点目は、避難生活が長期化する中で、特に高齢者の健康悪化や精神的負担が懸念されています。住み慣れた地域を離れたことで、外出機会の減少や住民同士のつながりの喪失が進み、孤立のリスクが高まっています。また、火災による喪失体験は大きく、心の傷が表面化するのは、むしろ時間がたってからというケースも多く見られます。
こうした状況に対し、孤立防止と心のケアを継続的に行う体制づくりが不可欠です。高齢者を含む被災者の孤立防止、そして心のケアをどのように進めていかれるのでしょうか。
3点目は、地域コミュニティーの維持と再生に向けた取組についてです。
佐賀関地区は、地域のつながりが強く、祭りや日常の助け合いを通じて独自のコミュニティーが育まれてきました。しかし、今回の火災により住民が広域に避難したことで、従来のコミュニティーが分断されつつあります。
復興においては、単に住宅を再建するだけではなく、地域のつながりをどう再生し、未来につなげていくかが極めて重要です。住民同士が再び集い、支え合える環境をどのように確保していかれるのでしょうか。
最後に、創造的復興に向けた復興計画についてお聞かせください。
今回の火災は大きな被害をもたらしましたが、一方で、地域の将来像を改めて描き直す契機にもなり得ます。安全性の向上、住環境の改善、地域資源を生かしたまちづくりなど、創造的復興の視点が重要です。
市として、復興計画をどのような理念の下、策定し、住民参加をどのように確保しながら佐賀関の未来を形づくっていくのでしょうか。
以上の観点から、何よりも住民に寄り添った佐賀関の復興について、市長のお考えをお聞かせください。
次に、平和について考えていきます。
現在、世界は極めて不安定な激動の時代にあります。ウクライナ情勢やガザ地区の紛争は、停戦に向けた模索が続くものの、依然として予断を許さない状況にあります。また、核保有国による威嚇や核軍備の拡大が深刻な懸念となる中、2026年は核兵器禁止条約発効から5年となる一方、新戦略兵器削減条約の失効期限を迎えるなど、国際的な核軍縮の枠組みは大きな転換点に立っています。
国内に目を向ければ、厳しさを増す安全保障環境を背景に、防衛力の強化や国民保護の論議が加速されています。日本政府は、防衛力の抜本的強化の一環として、敵基地攻撃能力の要となる長距離ミサイルなどの保管場所を確保するため、2032年までに全国で約130棟の大型弾薬庫を新設するとしています。私たちが暮らす大分市では、多くの市民の皆さんが不安と反対の声を上げる中、敷戸の大分分屯地で9棟の増設が計画され、このうち1棟がこの春完成する見込みです。
大型弾薬庫の建設は、有事の際には攻撃対象になる懸念から、地域住民の安全を脅かし、十分な説明がない中での建設は不信感を生んでいます。さらに、住民を盾にするような住宅地への建設は、国際人道法に抵触するのではないかといった指摘もあるなど、多くの問題があると認識しています。
こういったことから、国が進める国防政策である弾薬庫増設に対して、市民の命を預かる大分市長として、どのように市民の安全と平穏な暮らしを守っていくのか、お考えをお聞かせください。
市長は、医師として、また、政治家として、一貫して人の命に向き合ってこられました。「ひとが真ん中。」という基本方針を掲げ、「ひとを守る」ことを重視されており、このことは憲法第13条の個人の尊重や平和憲法が究極に守ろうとしている生存権につながるものと考えます。
平和は、単に紛争がない状態だけではなく、市民一人一人が人権を尊重され、誰もが私らしく生きていける状態でもあると考えます。さらに混迷する時代において、平和行政を単に啓発活動にとどめず、人権や多文化共生、福祉などとともに有機的に連携させることも重要と考えます。
今こそ自治体が主体となって平和を推進するために、平和都市宣言を持つ市としてお考えをお聞かせください。
次に、大分市総合計画の中から、目指すまちの方向性に沿って質問を続けます。
目指すまちの方向性は3つの柱から成り、ここでは、豊かな個性をはぐくみ、ともに成長できるまちの中から、まずは子ども・子育て支援に絞ってお尋ねをしていきます。
私たちの暮らす社会において子供たちを取り巻く環境は、今までにないほど変化しています。それは大きく進んだ便利さの裏側に、新たな孤立や格差が潜んでいる状況と言えます。
厚生労働省が初めて子供の貧困率を発表した2009年以降、子供の貧困対策に関する法律の成立や、その後の改正をはじめ、国や自治体は様々に対策を講じてきました。結果、厚労省が発表する国民生活実態調査によると、子供の貧困率は改善傾向にあるとされています。しかし、市民の暮らしに寄り添う自治体議員として、私たちは年々加速する物価高騰の中、暮らしにあえぐ人々とその傍らにいる子供たちの姿を目の当たりにしています。
経済的な困窮は、単なる家計の不足にとどまらず、学習機会や文化的体験、さらには栄養状態までもが奪われる体験の貧困を生み出し、それが世代を超えて連鎖するという苛酷な現状があります。2024年に改正されたこどもの貧困解消法では、子供たちが健やかに育つことは権利であると位置づけられ、自治体には家庭の状況に応じた包括的な支援が義務づけられたところです。
さらに、かつての地域で子供を育てるといった機能が弱まり、子育てが家庭内に閉じ込められ、密室化が進んでいます。その結果、近所に頼れる人がおらず孤立する保護者が過度のプレッシャーを感じることで、虐待やネグレクトの引き金になるケースが増えています。
また、密室化は、本来守られるべき子供が家族の介護や家事を日常的に行い、自身の時間が奪われるヤングケアラーを生み出しています。孤立・密室化する子育てでは、親が抱える不安や困窮が気づかれにくく、支援が届きにくい状況にあると言えます。
さらに、不安や困難は特定の時期にのみ発生するものではありません。妊娠期から乳幼児期、学童期、そして自立へと向かう思春期まで、切れ目のない支援が必要です。こういった現状を受け、子ども・子育て支援について、お考えをお聞かせください。
次に、ひとり親の自立に向けた支援について考えます。
大分県ひとり親と困難な生活環境にある子どもの支援計画策定についての現状と課題によれば、母子家庭の就業収入は年間300万円未満が83.7%に上り、就業者の42.8%がパートや派遣などの非正規雇用であり、物価高騰の影響を最も受けやすい立場にあります。生活費を稼ぐために仕事を掛け持ちし、子供と触れ合う時間はおろか、自身の睡眠時間すら削っている方も少なくありません。
自分が頑張らなくてはという強い責任感が逆に自分を追い詰める結果となっています。周りに迷惑をかけたくないとの思いや、シングルマザーに対する偏見を恐れ、誰にも相談できず孤立を深めるケースもあります。
母子家庭の多くの母親が、自分の食事を一日に一食に減らしてでも子供の学費を捻出し、深夜まで働いて疲れ果てた体で、さらに明日への不安と闘っています。これは自己責任の一言で済まされる問題ではありません。この見えない悲鳴に気づき、困難な状況にあるひとり親家庭の自立に向けた多角的な支援の促進は急務であると考えます。お考えをお聞かせください。
次に、若者応援について考えていきます。
昨年、本市では、大分市若者応援条例に基づき策定された大分市若者活躍推進プランの施策の一つである、自分とマチを彩る若者会議が開催をされました。参加した若者たちが自らの言葉で社会への違和感や希望を語り合ったことは、本市にとって大きな財産となりました。
しかし、条例の真価が問われるのはここからです。会議で出された生の声を単なる報告で終わらせることなく、いかに予算や施策に反映させるか。また、会議に参加できた若者の背後には、障害やひきこもり、ヤングケアラーなど、声を上げたくても上げられない、あるいは社会との接点を失いかけている多様な困難を抱える若者が数多く存在しています。
そういった若者をどう応援していくのか、それは議会が2年もの時間を費やし、多くの議論を重ねて策定した若者応援条例に込めた思いでもあります。誰一人取り残さない若者応援の実現に向け、お考えをお聞かせください。
次に、スポーツの振興について考えていきます。
本市では、昨年、公民館や学校体育館など公共施設の使用料改定が実施されました。施設の維持管理という観点は理解するものの、多くの施設で値上げとなり、市民のスポーツ活動に影を落としています。
特に地域で地道に活動してきた小規模なスポーツ団体や、年金生活の中で健康維持を目的としている高齢者のサークルからは、これ以上の負担増は活動継続の壁になる、自粛も検討せざるを得ないといった悲痛な声が届いています。
市長が掲げる生涯スポーツの推進や健康寿命の延伸という目標は、市民が身近な場所で、低廉な価格で、気兼ねなく活動できる環境があってこそ成立するものです。
逆風とも言えるこの状況下で、いかにして誰一人取り残さないスポーツ環境を維持・整備していくのか、お考えをお聞かせください。
次に、目指すまちの方向性の2つ目の柱、共生する社会を実現し、安心して暮らせるまちの中から、人権を尊重し合う社会づくりについて考えていきます。
現代社会において、しばしば差別はもうないのではないかといった意見が聞かれます。しかし、その実態は差別が見えにくくなっているだけで、決して差別が完全になくなったとは言えません。私たち一人一人が意識して見ようとしなければ、差別の存在自体にも気づかずに過ごしてしまうことも多いのです。
差別に気づくためには、日頃から学び続ける姿勢が不可欠です。学びなくしては、無意識のうちに誰かを傷つけてしまったり、差別の存在を見過ごしてしまったりといった危険さえあります。目に見える差別や表立った行いは一見なくなっているように感じるかもしれませんが、それはこれまでの人権教育や啓発活動の成果であり、過去から存在していた差別がなくなったわけではありません。
このような現状だからこそ、今後もこれまで積み重ねてきた様々な取組を根底に据え、人権教育や啓発活動を粘り強く続けていくことが極めて重要であると考えます。
今議会に提案された大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例の制定に際して、市長は今後どのように教育や啓発を進めていかれるのか、お考えをお聞かせください。
次に、セクシュアルマイノリティーの方々と歩む誰一人取り残されない社会について考えていきます。
本市においてパートナーシップ宣誓制度が導入されたことは、セクシュアルマイノリティー、いわゆるセクマイの方が、私らしく私のままで生きていくための大きな前進となりました。しかし、制度の利用状況や当事者を取り巻く環境を見ると、その後の歩みはどこか停滞しているように感じられます。
一昨年、昨年と2年連続で市民団体が本市で開催をしたおおいたレインボープライドには、当事者やアライをはじめ多くの方々が参加し、また、大分県知事をはじめ17市町村長から力強いメッセージが届くなど、大きな応援を追い風に、セクマイ当事者の方々の可視化が進んできました。
それでも今なお多くの当事者の方々は、偏見や無理解によってカミングアウトをためらい、社会的な孤立の中で生きづらさを抱えています。本市でパートナーシップ宣誓制度を導入したことで、市営住宅の入居をはじめ、行政サービスにおいてどれだけの実効性を持たせることができたのでしょうか。また、その中から見えてきた課題はどのようなものがあるのでしょうか。
さらに、当事者が直面する日常の困難を解消するためにも相談体制の強化が求められています。専門的な知識を持つ相談員の配置や当事者同士が安心して集える居場所などの確保など、単なる窓口の設置にはとどまらない、一歩踏み込んだ支援が必要ではないでしょうか。
そして、何よりも大切なことは、誰もが安心して暮らせるまち、共生する社会を市民の皆さんとつくり上げることです。市民一人一人が差別や偏見を持たない意識を持つこと、また、地域の企業が性の多様性を経営課題として捉えること、それぞれが自分事として向き合うためにも、本市独自の啓発活動や認定制度の導入が必要と考えます。
少数派の生きづらさは、その社会の不自由さの現れです。少数派の生きづらさを解消することは、その当事者だけではなく、誰にとっても生きやすい社会をつくることにつながります。
セクマイの方々が、この大分市で私らしく私のままで、安心して暮らし、生きていける社会を実現するために、今後どのような思いで取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。
次に、ジェンダーギャップ解消について考えていきます。
大分市総合計画では、共生する社会を実現し、安心して暮らせるまちを掲げていますが、その根幹をなすべきジェンダーギャップの解消について、本市の認識を問います。
先日、兵庫県豊岡市を視察いたしました。同市では、若年女性の深刻な市外流出を市の存続に関わる危機とし、ジェンダーギャップを解消することで市をアップデートし、選ばれる豊岡市になるための最重点課題としています。そこでは、行政のみらならず、地域の経営者たちが自らの意識改革を行い、職場や家庭での役割分担を見直すなど、官民挙げた取組が行われていました。
本市においても、進学や就職を機に多くの若者が流出しています。特に女性たちが抱えるジェンダーギャップに対する不満は、地方都市特有の保守的な風土や限られた雇用環境と結びつき、より深刻な悩みとして現れています。
職場では、昭和の企業文化が残る中、重要な営業先やプロジェクトリーダーには男性が選ばれ、女性はサポート業務に回されるといった声や、大分で働き続けてもキャリアアップの未来が見えないなどの声が聞こえます。
また、家庭の中からは、家事や育児の負担が女性にばかり偏っていることに疲弊し、夫の意識や夫を縛りつける企業の長時間労働の体質が変わらない限り、女性のワンオペ育児は解消されませんといった声が届いています。
さらに、地域コミュニティーに残る性別役割分担も深刻で、地域のお祭りなど企画の準備や片づけはいまだに女性の役割とされています。地域の意思決定の場に女性の視点が反映されにくく、男は外で決定し、女は裏で支えるといったアンコンシャス・バイアスが地域コミュニティーの隅々にまで根づいています。
女性たちがキャリアを描きにくい、古い価値観が残っていて生きづらいと感じている現実に、市長はどれほどの危機感をお持ちでしょうか。
本市が今後、持続可能な発展を遂げるためには、単なる女性活躍という言葉の羅列ではなく、社会構造そのものに切り込むジェンダーギャップ解消へのコミットメントが必要です。ジェンダー統計をさらに詳細に分析し、意思決定の場への女性登用や民間企業における意識改革の促進、さらには家庭内における家事・育児分担の偏り解消に向け、しっかりとしたロードマップを描いていく必要があると考えます。
選ばれるまち大分市であるために、市長自らが陣頭指揮を執り、性別にかかわらず誰もがその能力を最大限に発揮できる、真にインクルーシブな社会を構築すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
次に、多様性を認め合い、共に生きる社会の実現について考えていきます。
高齢になっても、障害があっても、誰もが地域の中で孤立することなく安心して暮らし続ける、そのためには、それぞれの違いを認め合い、誰一人取り残されない大分市を実現することが重要です。
それでは、まず、高齢者福祉の充実について考えていきます。
本市において高齢者は既に人口の約3割を占めており、今後も単身高齢者世帯や高齢者のみの世帯は増加することが見込まれています。また、高齢期の生き方や暮らし方は、健康状態、経済状況、家族構成、住んでいる地域によって大きく異なり、単に高齢者というひとくくりでは語れない多様性が存在しています。
さらに、近年、高齢者の課題は、介護、医療、生活困窮、住まい、認知症、家族関係など、複数の問題が重なり合っているケースが増えています。例えば、年金だけでは生活が成り立たず、受診や介護を控えてしまう方、認知症の初期症状があっても、孤独や孤立の中で相談につながらない方、外国籍やセクマイなど支援において配慮を必要とする方、そして、高齢者が同じく高齢の配偶者を介護している老老介護など、こうしたケースでは縦割りの支援だけでは対応が難しく、横断的な支援体制が求められています。
本市において、高齢者の複合的な課題に対し、本人の尊厳を守りながらどう支援につなげていくのか、お考えをお聞かせください。
次に、障害福祉の充実と重層的支援体制の構築について伺います。
誰一人取り残されない社会の実現には、障害のある方々が直面する多様で複合的な困難への理解と支援が不可欠です。
近年、支援の強化が求められていることの一つに、医療的ケア児・者への支援があります。これまでも一般質問などでお伝えしてきたように、家族の負担は想像を絶するものがあり、介護を離れ休息するためのレスパイトケアの拡充や学校卒業後の行き先確保は喫緊の課題です。
本市において、医療的ケア児・者がライフステージに応じて途切れることなく必要な支援を受けられる体制を強化していく必要があると考えます。お考えをお聞かせください。
また、市長は、これまでの施策方針や提案理由の中で、重層的支援体制の構築の重要性について繰り返し述べられてこられました。この重層的支援とは、年齢や障害の種別、制度の枠にとらわれることなく、複合化・複雑化した困り事を包括的に受け止め、切れ目なく支援につなげていく仕組みであると理解しています。
実際、本市における障害者の現状も、障害そのものに加え、生活困窮や孤立、家族関係の不安定さ、介護や子育てを同時に行うダブルケアなどといった複数の課題を同時に抱えている方が少なくありません。
特に当事者からは、どの窓口に相談すればよいか分からない、何度も同じ説明をしなければならない、制度のはざまで支援につながらないといった声が上がっています。制度は存在していても、制度につながるまでの入り口が分かりにくいこと、そして、縦割り行政の中で支援が分断されてしまうことが当事者の負担となっているのではないでしょうか。
障害のある方の暮らしは、障害福祉だけで完結するものではありません。住まい、就労、医療、家族支援、地域との関係など、生活全体を支える視点が不可欠です。
改めて、困り事を抱えた人を制度に当てはめるのではなく、人を中心に支援を組み立てる重層的支援の考え方が不可欠であると考えます。お考えをお聞かせください。
災害は全ての市民に平等に降りかかりますが、その影響は平等ではありません。高齢者、障害者、医療的ケア児・者、妊産婦、そして日本語に不慣れな外国籍の方々など、災害時に特別な配慮を必要とする災害時要配慮者が地域の中で共に暮らしています。
誰一人取り残さない防災とは、行政が守るだけではなく、地域全体が多様な隣人の存在を認識し、日頃から共に生きる関係性を築けているかどうかにかかっています。近い将来発生が懸念される南海トラフ巨大地震などの大規模災害において市民の命を守り抜くためには、行政の公助に加え、地域住民が助け合う共助の質を多様性の視点から引き上げることが不可欠です。
本市では、避難行動要支援者に対する個別避難計画の作成の取組を進めています。障害のある方や医療的ケアが必要な方々にとって、命のライフラインと言える個別避難計画を地域コミュニティーや福祉事業者と連携した生きた計画にすることが重要と考えます。
また、避難所における女性や多様な視点での環境整備も課題と考えます。過去の震災では、避難所において女性の着替えや授乳場所の不足、生理用品の配布、さらには性暴力への不安など、女性特有の困難が数多く報告されました。また、セクマイの方への配慮や、障害特性に合わせたプライベート空間の確保など、避難所の運営には多様なニーズに応える必要があります。
共に生きるとは、平時の理念であるだけではなく、非常時には最大の支えとなります。性別や年齢、障害の有無を超えて、市民一人一人が自分も誰かの力になれると実感できる強靱で優しい大分市の実現に向け、お考えをお聞かせください。
次に、目指すまちの方向性の3つ目の柱、新たな価値を創造し、未来に挑戦できるまちから、交通体系の確立について考えていきます。
新たな価値を創造し、未来に挑戦できるまちを実現するためには、その大前提として、誰もが自由に、かつ、安定して移動できる交通手段が確保されていなければなりません。
しかし、現実には、深刻な運転手不足や利用者の減少により、長年地域を支えてきた路線バスの減便や廃止が相次ぎ、車を持たない若者や高齢者から将来への不安の声が切実に届いています。もはや事業者や地域の努力だけでは既存の公共交通ネットワークの維持は限界が近づいていると言えます。
そういった現状を踏まえ、本市でも、ふれあい交通や団地内での移動支援実証実験など懸命な努力が続けられていますが、まだまだ十分な成果は見えず、従来の路線バス網の維持が困難となる中、市がリーダーシップを発揮し、事業者、地域住民と共に持続可能な大分モデルを構築すべき時と考えます。
今後は、基幹となるバス路線と地域を細かく走るコミュニティーバスやデマンド型交通をいかに有機的に結びつけるかが鍵となります。誰もが利用できる持続可能な公共交通のネットワークこそが、まちの活力を生み出し、多様性を認め合う共生社会の土台となります。
交通事業者とのこれまでの連携をさらに一歩進めた公共交通ネットワークについて、お考えをお聞かせください。
次に、地球温暖化対策と循環型社会の構築について考えていきます。
世界各地で異常気象が続く中、地球温暖化対策は、もはや配慮ではなく、私たちの生存をかけた喫緊の課題です。2050年のカーボンニュートラル実現という高い目標に向け、本市がどのようにかじを切るのか、まさにその本気度が問われていると言えます。
本市には大規模な臨海工業地帯があり、産業部門の排出量削減は極めて大きな課題です。しかし、一方でこれを新たな価値の創造と捉え、クリーンエネルギーの導入や脱炭素に向けた技術革新を支援することで地域経済の活性化につなげることもできると考えます。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた本市のロードマップについて、お考えをお聞かせください。
また、脱炭素社会の実現は、行政や企業の努力だけで達成できるものではありません。市民一人一人が日々の暮らしの中で地球環境を自分事として捉え、プラスチックごみの削減や資源のリサイクルなどの4Rの取組、さらには省エネ家電の導入など、ライフスタイルを見直し、循環型社会へ移行することが不可欠です。
しかし、ごみ減量や4Rなどの取組は、高齢化や単身世帯の増加などで市民意識に差があり、また、自治会の組織力の違いによって地区による資源回収などに地域格差が生まれ、使い捨て志向がまだまだ根強く残る中、リユースが浸透していかないなど様々な課題を抱えています。
本市として、市民の環境意識を理解からさらなる行動へと変えるために、例えば、環境に配慮した行動にインセンティブを与える環境ポイント制度や、若者たちが地域や学校で主体的に取り組む環境教育の充実、さらにはごみの減量化、資源化に向けたさらなる一歩など、市民が自らわくわくしながら参加できる仕組みづくりが必要と考えます。
未来に挑戦できるまちとは、次の世代に負の遺産を残さないまちでもあります。未来を担う若者たちに本市の豊かな環境を手渡していくために、お考えをお聞かせください。
次に、多様な人材の活用と中小企業支援について考えていきます。
現在、日本の人口は2008年をピークに減少を続けています。特に15歳から64歳の働く世代、いわゆる生産年齢人口では、既に1995年をピークとして減少が続く状況です。同様に本市においても、2016年のピーク以降、人口減少へと転じていますが、生産人口においては2010年から減少が続いています。
人口減少は社会に様々な影響を与えていますが、中でも労働力不足は深刻な課題となっています。本市の経済を支える企業において、仕事はあるが人材の確保ができないといった切実な声が聞こえるなど、あらゆる業界で人手不足が深刻化しています。
人材確保は、もはや一企業の努力だけでは限界があります。まさに都市間での人材獲得競争となっており、新卒の学生をはじめとした若者や女性、障害者、さらに、本市経済に不可欠な存在である外国籍の方など、働く意欲のある多様な人材活用に向けた取組は重要です。
また、物価高騰が市民生活を圧迫する中、実質賃金の維持・向上は喫緊の課題ですが、原材料費の高騰に苦しむ中小企業にとって賃上げの原資を確保することは容易ではありません。安定した雇用のためには、働きやすい職場環境づくりや物価高騰に対応した賃上げなどが可能となるよう、企業に対するサポートも重要と考えます。
新たな価値を創造し、未来に挑戦できるまちの主役は、そこで働く一人一人の人です。誰もが意欲を持って働き、相応の対価を得られる大分市の実現に向け、多様な人材の活用と安定雇用に向けた中小企業支援について、お考えをお聞かせください。
次に、将来に希望が持てる持続可能な農林水産業について考えていきます。
農林水産業は、市民への食料の安定供給のみならず、国土保全や緑のダムとしての水源涵養、さらには景観維持など、多面的な機能を持つ本市の重要な基盤です。しかし、生産者の高齢化や担い手不足により、貴重な技術の継承や農地の維持が危ぶまれる深刻な状況にあります。
さらには、資材や燃料費の高騰は大きな打撃となり、農林水産業はかつてない苦境に立たされています。特に小規模の生産者にとって、止まることのない物価高騰を受け、廃業を決意される方も少なくありません。
持続可能な農林水産業を実現するためには、これまでの延長線上ではない大胆な支援策が必要と考えます。例えば、スマート農林水産業の導入を通して生産性の向上を図り、また、デジタル技術を活用した省力化が、女性や若者、障害者などの多様な人材の確保につながると考えます。
さらに、耕作放棄地や害獣対策などは個人の努力では限界もあり、地域住民や企業、学校などが農林水産業に関わりを持つ市民参加型の取組を推進し、社会全体で食と緑を守り育む機運を熟成する、地域で支える農林水産業という視点も大事ではないでしょうか。
未来に挑戦できるまちにおいて農林水産業が輝きを取り戻すことは、本市のレジリエンスを高めることにもつながります。若者が、この道で生きていこうと希望を持てる産業へと転換し、次世代へ確実に継承していくために、お考えをお聞かせください。
最後に、生きる力を育む学校教育について考えていきます。
現代社会の急速な変化や価値観の多様化、そしてICTの普及など、子供たちを取り巻く環境はかつてないほど複雑化し、困難な状況に置かれています。いじめや暴力行為、SNSなどのインターネットを通じた新たなトラブルの増加、不登校の児童生徒の増加など、多様で深刻な課題が顕在化しています。これらの背景には、友人関係や家庭環境の変化、学習・進路への不安、さらには社会全体のストレスや孤立感が複雑に絡み合っています。
こうした現状を踏まえ、本市がこれまで大切にしてきた一人一人の子供を大切にするという理念をさらに発展させ、誰一人取り残されることなく、全ての子供がその子らしく安心して成長できる教育環境を整えることが今強く求められています。
そのためには、従来の学校教育にとらわれず、子供のウェルビーイングを重視し、多様な学びの機会や居場所の提供、また、児童生徒一人一人に寄り添った指導と支援が不可欠です。
特に不登校児童・生徒の増加は重要な課題です。学校という枠組みだけにとらわれず、個々のペースや状況に応じた柔軟な学びや支援の在り方、地域や関係機関と連携をしたサポート体制がより一層重要になっています。
子供の社会的な自立と生きる力の育成に向け、子供のウェルビーイングを尊重し、多様な学び方や、それぞれが自分の居場所と感じられる場づくりについて、本市はどのような理念や方針の下で取り組もうとしているのか、お考えをお聞かせください。
問題の複雑化、多様化に伴い、いじめやSNSなどを媒介とした見えにくく根深い問題の解決や、児童生徒が安心して学べる環境を確保する必要性が高まっています。
一方で、教職員の長時間労働や人員不足といった現場の厳しい状況も続いており、児童生徒一人一人に寄り添ったきめ細やかな指導を継続するには、指導体制の強化や支援の工夫が不可欠です。
また、多様な家庭環境や背景を持つ子供たちが共に学ぶ教育現場で、児童生徒の自己肯定感や生きる力を育みながら、全ての子供を真ん中に据えた教育活動を推進すべきと考えます。
教育委員会として、今後どのような方針の下、児童生徒に寄り添った生徒指導の在り方を考え、実効性ある体制の構築について、どのように取り組もうとしているのか、本市のお考えをお聞かせください。
児童生徒に寄り添った豊かな教育の実践は、これまで大分市として積み重ねてきた成果であり、自己肯定感や生きる力を育む学校づくりが地域や保護者からも高く評価されてきました。
しかしながら、教育課題のさらなる複雑化や教職員不足などによる現場での負担増、加えて、継続的に多様な支援を行うためのリソース不足は深刻な問題となっています。さらに、行政側の予算が削減されることで、新たな保護者負担の増加が生じることも深刻な問題であると捉えています。
今後、この豊かな教育実践を確実に継続・発展させていくためには、教育現場を支える人材の育成と確保、さらには人員配置を含めた安定的な予算確保が不可欠です。こうした現状と課題に鑑みて、今後も大分市が児童生徒に寄り添った豊かな教育を着実に継承・発展させていくために、どのような考えで取り組んでいくのか、本市の見解をお聞かせください。
以上で会派ネットワークみらいを代表して、私からの質問を終わります。
○議長(田島寛信) 足立市長。
○市長(足立信也)(登壇) ネットワークみらいを代表しての、うつのみや陽子議員の質問に対し答弁いたします。
なお、教育問題につきましては教育長から答弁いたします。
まず、ウェルビーイングな社会の実現に向けた私の基本姿勢についての3点の質問にお答えいたします。
1点目の任期最終年度を迎えての総括についてです。
市長就任以来、私は「ひとが真ん中。」を基本姿勢として、全ての市民が身体的、精神的、そして社会的にも満たされたウェルビーイングな社会、誰もが幸せを実感できる大分市の実現を目指し、市政運営に取り組んでまいりました。
最優先課題に位置づけた少子化対策として、不妊治療に対する経費への一部助成や里帰り出産する方への新たな支援のほか、保育料無償化の対象拡大、市立中学校における給食費の無償化、子ども医療費助成の高校生年代までの拡大、返還免除型奨学資金制度の創設など、誰もが安心して子供を産み育てることができる環境づくりを進めてまいりました。
医療・防災体制を充実させるため、♯7119を県下で初めて導入したほか、大規模災害に備えたへつぎ防災広場や全ての市立小中学校の体育館等へ空調設備を整備してまいりました。
多様な性のありようへの理解を深めるため、大分パートナーシップ宣誓制度を導入するとともに、時代に応じた行政運営を推進するため、行政分野のデジタル化や大分都市広域圏の取組を進めてまいりました。
持続可能な都市を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取組等を進めたほか、次世代にとっての新たな魅力となる科学体験イベントやアーバンスポーツイベントの開催などに取り組むとともに、大手公園と南大分スポーツパークに本格的なアーバンスポーツ施設の整備を進めてまいりました。
このように、私が市長選に当たり政策集として挙げた68項目については、実現または方向性を全て決定しており、令和7年度12月補正予算計上分までを合わせると新たに134の事業を実施、60の事業を拡充しています。
また、選択と集中の考えの下、事務事業全般にわたり見直しを進めた行政改革推進プランの取組による歳入の増、歳出の減を合わせた効果額は、令和5年度が29億円、令和6年度は22億円、合計で51億円を超えるなど、市政発展を下支えする安定的な財政基盤の構築に努めてまいりました。さらに、官製談合などの不祥事を二度と起こさないため、職員の意識改革を図るとともに再発防止策を講じてまいりました。
こうした一連の取組により、市民の皆様を将来にわたって守り、育み、支え、そして豊かに、元気にする「ひと」を中心に置いたまちづくりを前に進めています。
2点目の市政運営についてです。
本年、私が市長となって4年目を迎えます。現在、多くの部局に関わり、実現に時間を要する重要な取組については、大分市総合政策企画会議において4つの部会を設け、検討を進めています。脱炭素社会部会では、2050年カーボンニュートラル達成に向けた取組、医療と介護のネットワーク部会では、ICTの活用などによるネットワークの構築、交通システム部会では、交通施策の体系的な整理と渋滞緩和、市有施設を活用した中心部の活性化部会では、県都を象徴する中心部の市有施設の在り方について、それぞれ議論を深めています。
とりわけ中心市街地全体の魅力を高める22街区、54街区の利活用については、民間事業者の皆様との対話を踏まえ、今後は外部有識者による協議会や若者が参画できる意見交換の場などを通じて検討を進め、年内を目途に市民の皆様に方向性をお示ししたいと考えています。
また、国が進める脱炭素先行地域の取組として、去る2月13日に本市の提案が選定されました。本事業を通じて、本市の取組テーマである地域医療の継続性の向上を図りながら、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進してまいります。
さらに、交通渋滞緩和につながる施策の一つとして、昨年10月に市職員の時差通勤を試行的に実施したところ、一定の効果が確認されたことから、本格的な運用を本年4月に開始することとしました。その効果をさらに高めるために、民間事業者との連携についても進めてまいります。
新年度を迎えるに当たり、佐賀関の復興を着実に前進させることと併せて、物価高への対策も講じてまいります。今後の人口減少・少子高齢化をはじめ、デジタル化の進展、脱炭素社会への移行など社会経済情勢が変化する中で、県全体の発展を牽引する先導的な役割を果たしながら、国や県、周辺自治体とも連携してまいります。
また、昨年の官製談合などの不祥事における第三者調査委員会報告及び内部調査報告を受け、大分市あらゆる差別の撤廃及び人権の擁護に関する条例を廃止し、新たに大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例を本定例会に提出しております。これを含め、両報告において指摘・提案された項目への対応は新年度中に全て完了する予定です。
次の時代に向けたまちづくりの指針である大分市総合計画の下、引き続き「ひとが真ん中。」を基本姿勢とし、次の世代にとっても誇りが持てる大分市の実現を目指してまいります。
3点目の本市の未来ビジョンについてです。
本市では、昨年3月に策定した大分市総合計画において、次の3つの方向性を掲げてまちづくりを進めています。
まず、豊かな個性をはぐくみ、ともに成長できるまちです。子供を安心して産み育てられる環境づくり、そして、若者をはじめとする全ての市民が、住みたい、住んでよかったと思えるまちを目指しています。そのために、個性が尊重され、生涯にわたって学び、文化・芸術・スポーツに親しむことができる環境を整え、豊かな心を育み、互いに成長し合える地域社会の形成に取り組んでまいります。
次に、共生する社会を実現し、安心して暮らせるまちです。互いの人権を尊重し、多様性を認め合い、支え合う共生社会の実現を重要な柱としています。行政がその基盤づくりを積極的に進めるとともに、市民や地域、関係機関と連携し、災害や交通事故、犯罪などから市民の生命・財産を守る体制を強化し、安全・安心な暮らしを確保してまいります。
次に、新たな価値を創造し、未来に挑戦できるまちです。道路や上下水道などのインフラ整備、農林水産物の安定供給、企業の成長促進や雇用創出など、市民生活と地域経済を支える取組を推進しています。また、カーボンニュートラルの実現や自然・歴史・文化に配慮したまちづくりを進めるとともに、デジタル技術など最新技術の活用、地域間連携の強化により、社会・経済・産業の各分野で相乗効果とイノベーションを生み出し、未来への挑戦の後押しを図ってまいります。
こうした方向性を市民の皆様と共有し、先人から受け継いだ本市の個性や特性を守り育てながら、誰もが幸せを実感できるまちOITAの実現に向け、市政運営に取り組んでまいります。
次に、財政運営と当初予算の編成についての2点の質問にお答えいたします。この2点の質問は相互に関連がありますので、一括してお答えいたします。
本市におきましては、扶助費をはじめとした社会保障関係費や近年の民間給与引上げに伴う職員人件費の増加など、義務的経費の大幅な伸びが続いており、加えて、老朽化が進む施設の維持管理やエネルギー、物価、労務単価の高騰への対応などにより厳しい財政運営となっております。昨年10月に公表した財政収支の中期見通しにおいても、今後このような状況が続くと想定しており、財政健全化に向けた取組をこれまで以上に推進する必要があります。
こうした認識の下、令和8年度当初予算編成においては、主要3基金からの繰入金を前年度比で18億3,000万円抑制する中、徹底したコスト意識を持って全部局を挙げて事業内容を精査し、63事業について廃止や縮小などの見直しを実施いたしました。
また、その一方で、限られた財源の中にあっても23の新規事業の立ち上げと既存の13事業の拡充を行うなど、必要な施策にはしっかりと予算を確保しながら、効率的かつ効果的でめり張りのある予算案としております。
具体的には、最優先の課題である佐賀関大規模火災の復興関連事業として、自立再建が困難な被災者の生活再建の柱となる佐賀関復興市営住宅の建設や主要防災道路の整備などに債務負担行為の設定と合わせ12億6,500万円を計上しております。
また、長引く物価高への対応として、令和8年度の住民税非課税世帯に対し、1世帯当たり1万円の給付金を支給する住民税非課税世帯給付金事業や持続的な賃上げを行う市内の中小企業等に対し奨励金を交付し、人材の確保及び定着を後押しする中小企業等賃金引上げ奨励事業、本年2月検針分から実施している水道料金減免等事業の2か月間の延長など、16の事業に約43億円を計上し、幅広く市民への支援が行き届くよう配慮しております。
さらには、市立小学校給食費の無償化事業や災害時の電力源複層化に資する蓄電池や太陽光発電設備等の導入を支援する脱炭素先行地域づくり事業、医療機関における画像診断業務のAI化及び事務作業の効率化を図る画像診断等AI導入費助成事業など、新たな施策にも積極的に取り組むこととしております。
今後とも、決算収支を見通す中で、交付税措置のない市債の借入れを可能な限り抑制するなど市債残高にも留意し、将来世代への負担に配慮するとともに、必要な財源の確保はもとより、さらなるコスト意識の下で、財政収支の中期見通しや基金残高などにも十分留意しながら、時代に即した行政サービスが提供できるよう持続可能な財政運営に努めます。
次に、佐賀関の復興についての4点の質問にお答えいたします。
1点目の被災者の生活再建などの自立支援についてと2点目の被災者の孤立防止や心のケアについては、相互に関連することから一括してお答えいたします。
本市は、被災者が主体的に行う生活再建を積極的に支援する方針としております。まずは、我が家を失い、新たな住まいで生活を行う被災者の生活再建の一助となるように、火災見舞金や被災者生活再建支援金の支給、災害義援金の配分を速やかに行っております。また、暖房器具など電化製品は全て市が整備し、冷蔵庫、洗濯機は2年間のリース契約で設置しております。
また、既に佐賀関市民センター内に設置した市民サポートセンターは、被災者からの相談や各種手続に対応するとともに、本市職員が中心となって被災者支援チームを組織し、アウトリーチによる必要な情報の提供や行政手続等のサポートにより、被災者の主体的な生活再建に向けた支援をしております。
加えて、被災者の孤立防止や心のケアについては、避難所開設当初から現在に至るまで、保健師や地域包括支援センターの職員が丁寧な聞き取りによる心のケアに取り組み、健康状態や地域とのつながりの状況などを確認しております。さらに、大分市社会福祉協議会に設置した大分市地域ささえあいセンターが、アウトリーチによる定期的な安否確認を行うとともに、困り事を把握し、適切な相談先につなげることで被災者の孤立防止に取り組んでおります。
既にこれらの支援体制を構築しており、引き続き、公民連携の下、被災者が抱える多様な課題に対してアウトリーチで対応してまいります。
3点目の地域コミュニティーの再生についてです。
本市といたしましては、地域の皆さんが日頃から築いてこられた地域コミュニティーを維持するため、住民同士が集い、地域の絆を確かめ合う場が必要であると考え、本年1月から「~つながる つなぐ さがのせき~地域のきずな交流会」を開催しております。これまで2回の交流会を開催し、1月25日に開催しました第1回交流会には93世帯129人の方に、そして2月22日に開催いたしました第2回交流会には95世帯130人の方に参加いただきました。地域を離れて暮らす方や地域を守り続けている方が一堂に集い、近況報告などの住民同士の交流の時間を過ごしていただいており、3月22日には第3回交流会を予定しております。
今後も被災者の皆様や地域に寄り添い、意向を伺いながら、この交流会を定期的に開催し、復興に当たって重要となる地域コミュニティーの再生を図ってまいります。
4点目の被災者に寄り添った復興計画についてです。
復興計画は、生活自立再建の推進、災害に強いまち、住み続けられるまちの3つの視点に基づき、被災者の皆様の意見を踏まえて検討を行うこととしております。
復興計画の策定に当たり最優先となるのは、被災された住民の皆様が生活再建や復興についてどのような意思決定をされるのかが極めて重要であると考えております。2月25日からは、被災者の生活再建に向けた意向の聞き取りを開始しており、今後も調査を重ねることとしております。
被災した田中地区の自治会で構成する連合区において田中連合区復興事務局を設置し、地元関係者や有識者で構成する組織を自主的に立ち上げ、復興に関する調査・研究を行うと聞いております。
新年度には、田中連合区復興事務局との協議や地区別に意見交換会を行うなど、様々な場を通じて被災者や地域の意向を把握し、安全性の向上や住環境の改善、地域資源の活用など、地域の実情を踏まえ、被災者や地域が考える将来像を確認してまいります。
あわせて、有識者や地元関係者から構成されるアドバイザー会議を設置し、意見を伺う中で、被災地区住民の皆様の意向を尊重した復興計画の早期策定に取り組んでまいります。
次に、平和を守るについての2点の質問にお答えいたします。
1点目の大分分屯地の敷戸弾薬庫増設についてです。
大分分屯地における火薬庫の増設に係る市民の安全・安心の確保と不安解消に向けては、国が責任を持って丁寧な説明を行うとともに、施設の安全対策などに万全を期していただく必要があると考えており、本市といたしましても、引き続き県と連携しながら、九州防衛局に対して火薬庫の安全対策や適切な管理を求めていきたいと考えております。
有事の際に当該火薬庫が攻撃を受けるような事態については、国家の存立に関わる安全保障の観点から国が対処することとなりますが、本市におきましては、国民保護法や大分市国民保護計画に基づき、国や県などの関係機関と連携して、迅速、的確に市民の避難や救援を行うなどにより安全確保に努めることとしております。
一方で、市民の安全と平穏な暮らしを守るということについては、攻撃を受けないことが肝要であり、対話による抑止が重要であると考えておりますことから、国においては、対話による外交努力を尽くしていただきたいと考えております。
2点目の平和行政についてです。
本市では、昭和59年に日本国憲法に掲げる恒久平和の理念に基づいて平和都市宣言を行い、市民の平和と安全のために全力を尽くすことを誓うとともに、各種平和事業等を通じて市民への平和意識の醸成を図ってきたところです。
こうした中、基本的人権が尊重されていることが平和の礎であり、人権と平和は密接に関係していると考え、今年度から、これまで実施していた平和事業を大分市人権・平和の集いとして全市民を対象とする事業に再構築し、従来のムッちゃん平和祭などに加え、昨年12月には、ルワンダ共和国出身で、貧困や母国の内戦、留学先での差別などを乗り越え、現在、順天堂大学で医学者として活躍されているニヨンサバ・フランソワ氏をお迎えし、人権や平和について考える講演会を開催したところです。
さらに新年度は、本市の人権問題を統括する人権尊重推進課に総務課で実施していた平和事業を統合するとともに、その所属を福祉保健部から総務部に移管することとしており、人権行政と平和行政を連携させた取組を推進することで、市民一人一人の尊厳が守られ、心豊かに暮らすことができる大分市の実現を加速してまいります。
次に、豊かな個性をはぐくみ、ともに成長できるまちについての4点の質問にお答えいたします。
1点目の子ども・子育て支援についてです。
本市では、こども政策の基本的な方針であるこども大綱や、子供や子育てを取り巻く社会情勢の変化などを踏まえ、新たに市町村こども計画として第3期すくすく大分っ子プランを策定しました。
子供の貧困対策については、プランの中で目標の一つとして、子供の貧困の解消に向けた対策の充実を定め、その基本施策を生活困窮世帯の保護者への支援の充実と生活困窮世帯のこどもへの支援の充実とし、各種事業・取組を進めているところです。
また、こどもと家庭へのきめ細かな支援の目標では、核家族化や地域社会の変容等を背景に、地域の中で孤立しがちな傾向にある保護者に対する相談支援体制の充実を掲げており、全ての子供と妊産婦等を対象としたポピュレーションアプローチの強化を図ることで、児童虐待の予防的対応の強化を行うとともに、ヤングケアラーについても広報・啓発活動など取組を進めております。
子供の貧困対策をはじめとした子育て支援については、妊娠、出産、子育てから大学などの高等教育まで、ライフステージに応じた切れ目のない支援が必要と考えており、今後も継続して各種事業に取り組んでまいります。
2点目のひとり親家庭の自立に向けた支援についてです。
ひとり親家庭につきましては、子育てと就労の両立や経済的困難、社会的孤立等の複合的な課題を抱えている場合が多いものと認識しております。このような方が孤立することなく安心して子育てができる環境を整えることは、市の重要な責務であると考えております。
本市におきましては、児童扶養手当等の経済的支援に加え、就業支援、生活支援など自立に向けた支援を実施しているところです。また、保育所や学校等、子供と日常的に接する関係機関や地域の身近な相談相手として活動する民生委員・児童委員等と連携する中、支援を必要とする家庭を把握し、孤立することがないよう努めております。
今後も、ひとり親家庭に関する様々な支援策を必要な方へ的確に周知するとともに、サービスが確実に行き届くよう、相談体制の充実や関係機関とのさらなる連携等に取り組んでまいります。
3点目の若者応援についてです。
人口減少社会が到来する中で、未来を担う若者が社会の様々な場面に参画し、活躍するためには、若者の意見を反映する仕組みや活動に対する支援などを充実させ、若者の持つ能力や行動力を十分に発揮できる環境を整備することが重要であると考えております。
こうした認識の下、若者の声を反映する取組の一つとして、令和7年度から新たに自分とマチを彩る若者会議を設置しました。会議では、若者ならではの視点から様々な意見やアイデアが出され、若者が自主的な活動を行う事業には補助金等により支援し、市への提案については、今後の施策にどのように反映できるか検討を行い、若者の活力を生かしたまちづくりにつながるように取り組んでいるところです。
また、大分市若者活躍推進プランに掲げる施策に関する情報については、SNS等を活用し、未来を担う多様な若者に届けるとともに、若者会議をはじめ様々な場面において若者世代の参画の機会を確保してまいります。
引き続きプランの着実な推進を図り、大分市の若者が夢や希望を持って生き生きと活躍することができる社会の実現を目指してまいります。
4点目のスポーツの振興についてです。本市では、年齢や性別、障害の有無にかかわらず誰もが日常的にスポーツを楽しむことができる環境の実現を目指しており、身近な地域で安心・安全に利用できる施設の確保は大変重要な取組であると考えております。
昨年10月に実施した公共施設使用料改定により、小規模サークルをはじめ一部の団体から活動の継続が難しくなるとの声があることは認識しております。一方、多くの市民の皆様から、老朽化が進む公共施設の安全な維持管理や利用者と未利用者との公平性の観点から、見直しが必要との意見もいただいているところです。
今回の使用料の見直しに際し、こども料金の導入や公共性が高い活動への減免適用など、市民のスポーツ活動に支障がないよう一定の配慮を行っているところであり、現時点での施設の予約状況を踏まえると大きな影響は生じていないものと認識しております。
本市が掲げる生涯スポーツの推進や健康寿命の延伸には、市民が身近な地域で継続的にスポーツに親しむ機会の創出を図ることが重要であると考えており、今後とも各校区・地区の体育協会をはじめとする地域で活動するスポーツ関係団体と協力・連携を図りながら、本市のスポーツ振興に努めてまいります。
次に、共生する社会を実現し、安心して暮らせるまちについての4点の質問にお答えいたします。
1点目の人権を尊重し合う社会づくりについてです。
今定例会に提出した大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例は、あらゆる人権に関する課題解決に向けた取組を推進することにより、差別のない、全ての人が互いの人権を尊重し合う社会の実現を図るため、新たに制定しようとするものです。
本条例は、前文、目的、基本理念のほか、市の責務、市民の役割及び事業者の役割を規定するとともに、人権教育及び人権啓発の推進について規定しているところであり、教育と啓発は重要な取組であると考えております。
今後とも人権問題に対する理解を深めていくため、これまで積み重ねた様々な取組を踏まえ、学校、地域、職場等、あらゆる場と機会を通じて、継続した人権教育と人権啓発に取り組んでまいります。
2点目のセクシュアルマイノリティーの方々と歩む誰一人取り残されない社会についてです。
本市では、大分市総合計画、未来へつなぐおおいたビジョン2034において、市民一人ひとりが人権を尊重し合い、生きる喜びを実感できる地域共生社会の実現を目指しており、パートナーシップ宣誓制度の導入や性のありように関する啓発活動、人権尊重セミナーの実施などを通じて性の多様性に関する理解の促進に取り組んでおります。
今後とも、性的マイノリティーの方々をはじめ全ての市民が個人として尊重され、自分らしく生きることができるよう、多様性を認め合い、誰一人取り残されない社会を目指してまいります。
3点目のジェンダーギャップ解消についてです。全ての市民がその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会を実現することが重要であると考えています。
本市では、おおいた男女共同参画推進プランに基づき、拠点施設である男女共同参画センターたぴねすを核として、関係機関と連携し、家庭や地域、学校、そして職場における人権教育並びに各種啓発に取り組んでおります。
今後もジェンダーギャップの解消を進め、性別にかかわらず全ての市民が健やかで生き生きと、意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会の実現を目指してまいります。
なお、性別、性的指向、性自認等を理由とした人権侵害が今日もなお存在する中、あらゆる差別は許されないということを認識し、行動していくことが求められています。
本市では、一人一人が互いの人権を尊重し合う社会の実現を目指し、不断の努力を重ねていくことを決意し、今定例会に大分市一人ひとりが互いの人権を尊重し合う社会づくり条例を提出しております。
先日の報道で、男女の役割分担意識は、大分県が全国的にも非常に高いという結果でした。この問題に対する特効薬はありません。新しい条例の下に、市民の意識が徐々に変化することを私は期待しております。
4点目の多様性を認め合い共に生きるまちについてです。
まず、高齢者福祉の充実についてですが、高齢者の日々の生活を支え、様々な困りに対応していくためには、日常的な見守りや孤立解消、医療・介護が必要となった際の生活支援など、多岐にわたる対応が求められます。
本市においては、独り暮らし高齢者の実態調査を毎年実施し、その結果を民生委員・児童委員による相談援助業務や地域包括支援センターによる見守り活動に役立てるとともに、状況に応じて庁内関係課や成年後見センター、社会福祉協議会など関係機関と連携しながら対応することとしております。
また、地域や社会との接点がない方などに対しては、アウトリーチによる継続的な支援事業を実施し、適切なアプローチで不安の解消に取り組んでいるところです。
引き続き、こうした取組を通じて高齢者に対する必要な支援に努め、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる地域共生社会の実現を目指してまいります。
次に、障害福祉の充実についてですが、本市においては、喀痰吸引等研修を修了した介護職員等による医療的ケア児の通園、通学などの移動を支援する医療的ケア児移動支援事業や、医療保険の適用の範囲を超える訪問看護サービスの利用と自宅以外での利用を促す医療的ケア児在宅レスパイト事業により、医療的ケア児の保護者の負担軽減を図っているところです。
また、福祉、医療、保健、教育等の関係機関による医療的ケア児の支援に関する協議の場として、障害者総合支援法に基づく大分市障害者自立支援協議会に医療的ケア児支援検討部会を設け、専門的知見から支援体制の充実に向けた議論を進めております。
医療的ケア児支援法には、基本理念として、医療的ケア児が18歳に到達した後にも必要な支援を提供することが掲げられておりますが、国からは具体的な方策は示されておりません。こうしたことから、本市といたしましては、18歳以上の医療的ケアが必要な方に対する支援体制の強化について、国の動向を注視しつつ、障害者自立支援協議会で議論を進めてまいります。
次に、重層的支援体制の構築についてですが、本市においては、令和6年度より重層的支援体制整備事業に取り組んでおります。この体制の下で、高齢、障害、子供、生活困窮といった各分野の相談支援機関が、相談者の属性にとらわれず包括的に相談を受け止め、課題を整理し、利用可能な福祉サービスへつなぐとともに、必要に応じ、支援関係機関と連携を図りながら支援を行っております。
その上で、単独の相談支援機関では対応が難しい複雑化・複合化した支援ニーズがある場合には、他の相談支援機関等との協議の場を設け、関係者間の連携を図るとともに、役割分担などを行うことでケースごとに個別に対応し、課題解決に取り組んでおります。
今後とも、各部局や関係機関との連携をより密なものとし、複雑化・複合化した困り事を抱える方に寄り添った丁寧な対応を行ってまいります。
次に、強靱で優しい大分市の実現についてです。
本市においては、避難行動要支援者のうち、地域への情報提供に同意いただいた方を掲載した避難行動要支援者名簿やその方の個別避難計画を自主防災組織の代表者や自治委員などに提供し、情報伝達や安否確認ができる体制の構築、避難訓練の実施を働きかけております。
また、自助、共助の考え方や平常時からの備えなどを掲載した災害時要配慮者の避難支援の手引を配付し、支援体制構築の重要性について周知・啓発を図っております。
加えて、今年度は校区総合防災訓練に障害がある方にも参加していただき、パーティションの組立てや避難の訓練を協力して行うことで、災害時要配慮者への理解促進を図ったところです。
また、避難所運営に役立ててもらうため、男女別の簡易更衣室やフリースペースの設置、女性や性的少数者を含む多様な方々への対応など、配慮すべき事項を避難所運営マニュアルにまとめました。
こうした取組を通じて、地域における支え合いや助け合いの重要性を啓発することで、誰もが安心して暮らせるための体制づくりを推進してまいります。
次に、新たな価値を創造し、未来に挑戦できるまちについての4点の質問にお答えいたします。
1点目の公共交通ネットワークの維持についてです。
本市では、鉄道やバスが幹線を形成し、路線バス等の利用が不便な地域においては、本市が主体的に運行するふれあい交通や路線バス代替交通等が支線となり、公共交通ネットワークを補完しております。
また、本市は、令和5年度より国の臨時交付金を活用し、交通事業者に対して利用環境や業務の改善、人材確保等に関する取組に事業継続支援を行っており、さらには、今年度より大分市総合政策企画会議に交通システム部会を設置し、交通に関する施策の整理・検討、地域公共交通を補完する施策の検討など、公共交通ネットワークの再構築に向けた取組を進めています。
今後、交通事業者とより一層連携を図り、幹線と支線の再構築の検討を行う中で、まちづくりと一体となって地域の実情に応じた交通施策に取り組み、地域の商業施設や医療施設等が集まる支所周辺や駅などの地域の拠点にアクセスできるデマンド型交通の実証実験を行い、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向け、取組を進めてまいります。
2点目の地球温暖化対策と循環型社会の構築についてです。
まず、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたロードマップについてですが、本市では、大分市地球温暖化対策実行計画に基づき、市民、事業者、行政等の幅広い主体が徹底した省エネルギー対策や再生可能エネルギーの最大限の導入、廃棄物の排出抑制、森林等による吸収源対策を進めております。
特に、市域において8割の二酸化炭素を排出する大分コンビナートの脱炭素化を推進するため、CCUSや水素エネルギーなど革新的技術等の活用が必要であることから、2050年を見据えた各企業の取組であるグリーン・コンビナートおおいた推進構想の実現に向け、企業、大学、大分県等と連携し、立地市として必要な支援を行ってまいります。
また、先月には、本市の事業提案が国から脱炭素先行地域に選定されたところであり、今後は交付金を活用し、脱炭素と医療をテーマとした先進的な脱炭素モデルの構築と、エリア内の民生部門において、太陽光発電設備や蓄電池等の省エネ設備の導入補助などを実施してまいります。
さらに、省エネ家電の購入費の助成について、新年度は予算を拡充するとともに、新たに家庭用LED照明を助成対象に加え、家計負担の軽減と温室効果ガス削減のさらなる推進を図ります。
このような取組を着実に進めることで、2050年カーボンニュートラルを目指してまいりたいと考えております。
次に、未来を担う若者たちに本市の豊かな環境を手渡していくための仕組みづくりについてですが、本市では、大分市一般廃棄物処理基本計画において、一人ひとりが環境や資源について考え、4Rに積極的に取り組むまちを基本目標に掲げており、家庭ごみの有料化制度をはじめ、3きり運動や食品ロス削減による生ごみの減量化、紙類のリサイクルを推進する捨てんし大分!など資源物のリサイクルや、フリーマーケットなどの機会を通じたリユース等、4Rの取組を推進しているところです。
今後は、これまで培われた環境意識を日常的な実践行動につなげていくため、環境に配慮した行動等を実践した市民に対してポイントを付与する行動変容サイトを新たに構築するとともに、令和9年10月に供用開始予定のみどりの森環境センターに地球温暖化問題等の環境学習ができる啓発施設を併設することとしており、未来を担う若者たちはもとより、全ての世代が参画できる仕組みを構築し、循環型社会の実現を目指してまいります。
3点目の多様な人材の活用と中小企業支援についてです。
本市は、有効求人倍率が国や県と比較して高い水準で推移しており、中小企業の人手不足が深刻化する中、若者、女性、障害者、外国人などの多様な人材の活用が地域の産業を支える上で非常に重要です。
そのため本市では、県や関係機関と連携し、学生等を対象とした各種就職フェアの開催に加えて、働く意欲のある方や多様な人材活用を目指す事業者等を対象に、様々なコンテンツで学ぶことができるビジネスオンライン講座を提供しています。
また、障害者雇用に関しては、職場実習の機会を提供し、障害者と企業の双方が抱く雇用に対する不安の解消を図ることで、雇用の促進に努めております。さらには中小企業に向け、職場での外国人とのコミュニケーションを高める取組を行っております。
加えて、令和8年度につきましては、新規事業として、従業員の持続的な賃上げを行う事業者に対して奨励金を交付する事業の実施を予定しており、人材の確保及び定着を後押しすることとしております。
本市といたしましては、引き続き県や関係機関と連携を深めながら、多様な人材の活用と安定雇用に向けた中小企業への支援に取り組んでまいります。
4点目の持続可能な農林水産業についてです。
農林水産業は、食料の安定供給、国土の保全、水源の涵養、自然環境・景観の保全などの多面的機能を有しており、地域や市民生活を支える重要な産業であると認識しております。
このことから、本市では、農林水産業を地域の基幹産業として持続的な発展ができるよう定めた大分市農林水産業振興基本計画に基づき、県内外で開催される就業相談会への参加、新規就業者や後継者に対する就業後の経営安定を図るための新たな担い手経営開始等支援事業や漁業新規就業者育成支援事業などの補助金、直販所などへの出荷を目指す者を対象とした農業塾の開催などにより、若者や女性、高齢者など多様な担い手の確保・育成に取り組んでおります。
また、農林水産業の生産性向上を図るため、経営規模の拡大、省力化、低コスト化に必要な機械やIoT、AIを活用したスマート技術の導入を推進しております。
さらに、多面的機能支払交付金などにより地域の農業者と住民の協力による農地の保全を推進するとともに、農道や水路の適切な維持管理などを進め、農地の有効活用や耕作放棄地の発生防止に取り組んでおります。
今後もこれらの施策を着実に実施していくことで、将来にわたって持続可能な農林水産業の振興を図ってまいります。
以上で私の答弁を終わります。
○議長(田島寛信) 粟井教育長。
○教育長(粟井明彦) 生きる力を育む学校教育についての3点の御質問にお答え申し上げます。
まず、1点目の不登校児童・生徒への生きる力を育む学校教育についてでございます。
本市では、不登校の未然防止や不登校児童生徒への支援を推進するため、令和6年7月に策定したOITA COCOLO PLANに基づき、学校生活を余裕を持って始めるスロースタートプログラムや校内教育支援ルームの設置等、各学校の実情に応じた取組を実施しております。
また、教育支援教室フレンドリールームや市内5地区公民館で実施しているおでかけフレンドリールーム、昨年9月より開始したメタバース空間を活用した支援のほか、フリースクール等民間施設とも連携を図りながら、多様な学びの場の確保に努めております。
本市教育委員会といたしましては、OITA COCOLO PLANを踏まえた不登校対策を一層推進するとともに、今後は、フレンドリールームが行っている活動やのつはる少年自然の家での宿泊体験活動等のイベントに加え、ICTを活用した学習支援やイベントの事前学習等のオンライン配信を設定し、1週間を通し、毎日魅力ある多様な学びの場を提供することとしており、児童生徒一人一人の状況に応じた居場所づくりに取り組んでまいります。
2点目の児童生徒に寄り添った生徒指導の在り方についてでございます。
各学校では、日頃から教育相談やアンケート調査等を通じて児童生徒理解に努めるとともに、保護者との緊密な連携の下、親子が抱える悩みや不安を共有し、寄り添いながら個々の支援に取り組んでいるところでございます。
また、校長のリーダーシップの下、学級担任だけでなく、チーム学校として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門スタッフを積極的に活用するとともに、事案に応じて警察や福祉等の関係機関とも早期に連携しながら対応しているところでございます。
日常の教育活動におきましては、児童生徒が他者から必要とされていることを実感したり、体験活動や道徳教育等を通じて仲間との信頼関係を築いたりすることなどにより、互いを思いやる心の育成や規範意識の醸成等に努めているところでございます。
本市教育委員会といたしましては、先般の市立中学校における生徒間暴力事案を踏まえ、改めて全小中学校に対して、児童生徒が不安や悩みを相談し、解決することにより安心して学校生活が送れるよう、校内体制の一層の強化について指導したところであり、引き続き、人員の確保も含め、児童生徒一人一人に寄り添った実効性のある生徒指導体制の充実に努めてまいります。
3点目の豊かな学びを継承発展させていくための教育予算の確保についてでございます。
近年、学校教育に対するニーズの高まりや教育課題が複雑化、多様化する中、質の高い学びを実現するためには、正規教員の確保だけではなく、学校の教育活動を支える専門スタッフの配置など教育環境の一層の充実が重要であると考えております。
こうしたことから、本市教育委員会では、特別な教育的支援を必要とする児童生徒に個別の支援を行う補助教員や教職員の業務補助等を行うスクールサポートスタッフ、教科指導に関する指導助言を行う教科指導マイスターなど、多様な業務に従事する専門スタッフの配置を行ってまいりました。また、令和8年度の予算案におきまして、不登校対策として校内教育支援ルームで児童生徒への支援を行うスクールライフサポーターを増員するための経費を計上しております。
さらには、教育環境の整備につきまして、大分県教育委員会に対し、教員不足解消のための計画的な採用及び配置を行うよう引き続き要望するとともに、スクールサポートスタッフの配置に係る財源につきましても、市町村負担の撤廃を求めているところでございます。
本市教育委員会といたしましては、厳しい財政状況の下ではありますが、児童生徒一人一人が将来に対する夢や希望を持ち、未来を見据えた持続可能な社会のつくり手となるよう、時代の変化に応じた教育施策を推進し、児童生徒の豊かな学びの実現に努めてまいります。
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○議長(田島寛信) 以上で本日の日程を終了いたしました。
次会は、明日13日午前10時に開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後2時42分散会
地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する
令和8年3月12日
大分市議会 議 長 田 島 寛 信
署名議員 斉 藤 由美子
署名議員 高 橋 弘 巳